PETRI M42 & OEM models

Petri FT & FT II
 

PETRI FT & FT II

 ペトリは国産カメラメーカーの中では比較的早い1959年にフォーカルプレーン式一眼レフカメラを開発しました。このペトリ・ペンタはM42プラクチカマウントを採用し、絞りはまだプリセットでした。そのボディを大幅に改良し、シャッターとミラー、絞り、シンクロタイミングの連動機構を独創的な一軸カムシャフト方式にして連動させ、マウントも独自のスピゴットマウントにしたものが、60年から始まるのペトリ・ペンタVのシリーズでした。それらは小型の八角形ボディで、長らくフルマニュアル機として作られていましたが、64年の後期に、CdSをプリズムカバーの前部に取り付けてシャッターと絞りに連動させた外光式露出計を内蔵したペトリフレックス7を発売しました。コンタレックスの「ブルズアイ」を参考にしたこのカメラは、ボディサイズがペンタシリーズとは異なって大柄になり、以降、ペトリは小型のVシリーズの系列と、大柄なフレックス7のボディをルーツにする系列の二本立てになりました。
 そのフレックス7は、67年にいよいよTTL化されたFTに進化します。FTは絞り込み斜めシャッターボタンのすぐ脇にレバー配した絞込み測光で、ペトリのフラッグシップモデルになりました。そして、同時に明るいPetri C.C Auto 55mm F1.4も投入され、同時期の他社のF1.4付きモデルに比べて多少低目の価格設定であったことも受けて、結構良く売れたカメラでした。
 69年になると、V6のボディをシャッター優先式TTL-EE機へ一気にスペックアップしたFT
EEが発売されます。FT系もデザイン的に洗練したモデルを用意し、それを71年にFT IIとして販売しました。ペンタブリズムカバーやエプロン部、レバー類のデザインやホットシューの追加以外、スペック的にはFTからは変化はありませんが、FT IIの後期型からは機構的には大幅な変更がなされ、ペトリ独自のシャッターとミラー、絞りの連動機構を一軸カムシャフト方式から、一般的なカムレバー式に改めています。
 この頃になると、既にTTL測光の方式は開放測光の優位性が明らかになってしまい、自動露出も含めて、ユニバーサルマウントとしてのPマウント(M42)では機構的に開放測光が困難で、各社独自にねじ込み以外の工夫を凝らしてしまった結果、他のPマウント機では使えないマウントになってしまうことさえありまして、本来の性能を発揮させるべく用いると、最早ユニバーサルなマウントとは言えなくなってきました。そして、長らくPマウントを守り続けてきたペンタックスが、ついにバヨネットマウントを採用し、Kシリーズを出すようになって、時代は完全にバヨネットマウントのTTL開放測光+AEの時代に入って行きます。ペトリは既に独自のスピゴットマウントでしたので、すっきりとFT
EEでTTL-EE一眼レフを達成していましたが、ペトリは国内よりも海外で多く売れたため、向こうの意向が強く反映したモデルを作ることになります。カメラ技術が年毎にどんどん進んで行く日本国内に対し、欧米ではまだ従来のPマウントが広く使われていて、それを望むペトリのディーラーが多かったようで、このFT IIのボディマウントをM42化したモデルを開発することになりました。それが以下に続く輸出専用FT系M42モデルの数々です。
 話は長くなりましたが、ここで以降のM42モデルと比較するためのポイントを押さえておきましょう。
1.軍艦部のデザインのうち、肩の部分が上の方で2段になっている。
2.カウンター窓が円形
3.巻き上げレバーにもセルフタイマーレバーにも絞り込みレバーにもプラスチックの指当てがない(FT)。
4.巻き上げレバー軸の皿ネジが電池蓋と同じように内側に円形の溝がある(FT)。
5.ASA感度ダイアルが巻き戻しクランクの横に独立して出ている。
6.シンクロの接点が軍艦部の向かって右側面にある。
7.セルフタイマー・シャッターボタンの台座が立体的になっている(FT)。
8.幅広なプリズムカバーのデザインに合わせ、エプロン部も同じ幅で直線的になっている。
9.巻き戻しクランクの板が反っている。
おおよそですが、この辺りの点を注意して、以降のモデルと比較してみます。

 

PETRI FTX  

PETRI FTX

 ペトリは73年にFT EEをFT IIと同じようにデザイン面を主に変更したFTEを出し、翌74年にはペトリ初のMCレンズをブラックボディに装着したFTE B&Mを販売しましたが、FT系ボディはしばらくそのまま販売されていました。ペトリはその価格の安さと堅実な作りから海外で良く売れたそうです。しかし、マウントが独自のスピゴット式で、互換性を望む向きが多かったのか、ユニバーサルマウントとして根強い人気があったM42プラクチカマウントに変更したモデルの生産を始めました。それが1973年製のこのFTXからになります。
 FTXはOEMを前提にしていたのは明白で、画像の通り初めからネームプレートが貼り付け式になっていました。
 丁度75年デビューのFT系ボディでは初のTTL-EE機になるFA-1を開発していることもあって、多少そちらとの共通性が散見できますが、マウント以外のFT
IIとの変更点を見てみます。

1.軍艦部のデザインが変更され、両肩の淵の段差がなくなり、FA-1と同じように前部に横線が入った。
2.フィルムカウンターの窓が円形から扇形に変更。
3.巻き上げレバーのプラスチックの指当ての形状が変更。
4.シャッターダイアル・ASA感度ダイアルともにローレットのギザが荒くなり、文字のプリントや色が異なる。
5.ホットシューのプラスチック台座のデザインが大幅に変わり、軍艦部側のプリズムカバーの形も異なる。
6.電池蓋のデザインが変更され、内側は全体が掘られた形状になった。
7.絞り込みレバーが廃されて、エプロン部横の向かって左下に絞り込みボタンが付けられた。
8.メッキの質が目の粗いざらついたようなものになった。
 大幅な変更点はホットシューの台座の形状と、絞込みレバーからボタンへの変更になりますが、ここまでは巻き戻しクランクの板の形状は反ったものが相変わらず使われていました。また、レンズのデザインも変更され、FT
II後期の55φの55mm F1.7のようにピラミッド型の凸部のデザインになっていますが、アルミ削り出しに塗装したものから、一般的なゴムローレットが使われています。文字の色も青が使われていますが、シャッターダイアルでも「15」が青になっています。
 このボディはフィルム室の印字から74年製であると判別できましたが、FTX自体は73年から発売が開始されていたようです。輸出専用だったので、具体的に何月から販売が開始されいたのかは分かりません。

 

PETRI TTL初期型

 72年のFT IIから少し経過して、ペトリはこれをM42マウント化した輸出専用モデルを制作しましたが、その対米輸出向けが上記FTXになります。同時にヨーロッパ向けには「TTL」の名で同じ仕様のモデルを販売しました。後述する後の「TTL」とは異なり、あくまでもFTXと同じシャッターダイアルやASA感度ダイアル、板の反った巻き戻しクランク等が使われ、レンズも絞りやfeet表記が青字になっていて、絞りリングのクリックが廃されて容易に中間絞りが選択できるようになっています。
 「TTL」のロゴも斜体になっておらず、ぶっきらぼうな太字のフォントが用いられています。ボディのメッキはFTXのように目の粗いものではないですが、FT IIやその他の国内モデルほど細かくはない感じです。

PETRI TTL early model
 

 フィルム室の印字は「211」で、この個体が72年11月に生産されたことが分かりますが、その点から判断すると、FT IIが送り出されて、ほどなくM42化を施したモデルが完成したことになります。なお、このTTLの巻き上げレバーの皿ネジはペンタV2のものを加工して取り付けていまして、本来は他のM42モデルと同じタイプの皿ネジが使われています。

 

PETRI TTL 2nd model
 

PETRI TTL前期

 しばらくFTXが販売された後、並行するようにこれを色々名を変えて販売するようになりましたが、ペトリ名のものもモデル名がOEMモデルと同じになっていました。このボディはフィルム室にあるペトリ特有の印字から判断して76年7月(K607)に生産されたようです。ボディ番号は875919で、77年10月に倒産する1年前に作られていたことになります。

1.ネームプレートは交換を前提にしているのはFTXと同じものの、軍艦部前面向かって左のモデルネームも立体的ながら貼り付けタイプのものが使われている。
2.巻き戻しクランクの板が平たいものに変更。
3.セルフタイマーレバーの金具が黒塗装になるものの、ブラックボディだからかどうかは不明(他のブラックモデルではメッキのものもあるため)。
4.シャッターダイアルの上面が文字がプリントされた円盤を貼り付けたものに変更。

 おおよそこれらの変更の他は初期TTLやFTXとの違いは見られません。これらとは細かいところがわずかに変更されている程度で、ほぼ同一のモデルと考えて良さそうです。なお、TTLにも銀メッキのボディも販売されていました。FTXもそうでしたが、絞込みボタンはシャッターボタンと同じ形状のメッキされたものが使われています。

 

PETRI TTL後期

 TTLは1年程度の生産でしたが、どう言う訳だか途中から小変更が施されています。この後期型はフィルム室印字が「K611」となっていて、76年11月に作られた個体であると思われ、上記のモデルとは4ヶ月しか経っていません。製造番号は902016です。もちろんそんな短期間に大きく仕様を変更するはずもなく、違いは微細な点だけです。前期型からの変更点は以下の通りです。
1.プリズムカバーのネームプレートが平面的なプリントものに変更。
2.軍艦部向かって左正面の型式名(TTLの文字)がはめ込みプレートから、直接軍艦部にプレスされたものになった。
3.絞込みボタンが黒いものに変更。
 レンズも前期型から緑の文字が使われ、FTXの青い文字から変更されています。

PETRI TTL later model

 

PETRI TLR

 

PETRI TLR

 ペトリはどう言う訳か同じ仕様のモデルなのに、TLRと言う名のモデルも販売していました。このTLRにも前期モデルがあり、軍艦部向かって左前面の形式名が、TTL前期型と同じように立体的なプレートを貼り付けたタイプがあります。こちらはTTL後期型と同じ仕様になりますが、製造番号は894007でわずかに早い番号になっています。しかし、フィルム室印字はG72となっていて、77年2月生産と考えられますから、こちらは6ヶ月遅いことになります。変更点はほとんどないですが、1点だけ、絞り込みボタンの表面に円形の溝が掘り込まれたことだけがTTL後期型と異なります。
 それにしてもSLR(一眼レフ)なのにTLR(二眼レフ)とは、妙なネーミングにしたものですね。ちなみにMF-1の輸出バージョンにSLR 35と言う名のモデルがあります。

 

FOCAL TLR

 末期のペトリはとにかく少しでも売り上げを稼ぐために、なりふり構わないようなOEMモデルの乱発を行なっていました。トプコンやチノン、リコーなども銘柄を変更して海外の写真機材商社のブランドを付けてそこから販売することが多々ありましたが、ペトリの場合はさらに写真機材とは無関係の、アメリカの大手スーパーと契約し、そこのブランドの名を付けたものを販売していました。このFOCALは有名なK martのブランドで、その店舗で販売していたモデルになります。フィルム室印字はG74ですから、77年4月の生産でしょう。製造番号は914948で、前述のペトリ名のTLR後期より遅いのに、軍艦部左前部の形式名は前期型のようなはめ込みプレートになっています。しかし、後期に作られているのは間違いなくて、黒い絞込みボタンには円の溝が刻まれています。
  FOCAL TLR

 ペトリ独自の斜めシャッターボタンのOEMモデルは、この他にアメリカのカメラメーカーのargus STL1000(コシナ製の同名モデルもあります)、アメリカのカメラ用品商社のSpiratoneからSPIRAFLEX TTLが、やはりアメリカのスーパーのJC PenneyからはSLR3と言うモデルが販売されていました。現在分かっているのはここまでですが、ひょっとするとまだまだマイナーな銘柄を付けたモデルが見付かるかも知れませんね。

 

argus TTL

 

argus TTL

 アーガスはアメリカの老舗カメラメーカーで、大戦前からカメラを生産していました。50年代は35mmレンジファインダーカメラを安価に提供していましたが、徐々に日本製の高性能なカメラが格安に入ってくると、急速に競争力を失って、ブランドだけが残るメーカーになっていました(今も名前は残っています)。70年代はもちろん自社で設計し生産する能力がありませんでしたから、コシナを中心とした日本のメーカーにOEMモデルを発注していました。ペトリにはこのTTLとSTL 1000というモデルを発注していましたが、それぞれPetri FTXとPetri TTLのネーム違いになります。FTXはFT II系としては最初期のM42機ですが、このアーガスTTLはFTXと同じくシャッターダイアルの文字が一部青いものが使われていて、Petri名のTTLよりも先に出ていたことが分かります。そのネームプレートはしっかりプレスされていて、後のプリントされたものとは異なります。

 

REVUEFLEX TTL

 ペトリの大きな特徴であったフロント斜めに付いたシャッターボタンでしたが、いよいよ末期にはこれを他社の一般的なカメラのように軍艦部上に持って行ったモデルを作りました。基本的な機構は一切変わりませんが、このために細かい部品の変更を余儀なくされました。
 デザインはそれまでのFTX系のものを踏襲していますが、シャッターボタンの位置が変わってしまうだけでも、大分すっきりした印象になっていますね。
 レビューはチノンやコシナのOEMモデルを色々と出していましたが、ペトリ製のこれはフィルム室の印字が「55」となっているところから、75年5月の生産と推測され、そうすると斜めボタンのものと並行して既に生産していたことになります。果たして印字の数字はどう読み取るべきなのでしょうか。
  REVUEFLEX TTL

 では、斜めボタンのモデルとどの辺が異なるのか確認してみましょう。
1.シャッターボタンの移動とともに、レリーズ穴が設けられた。
2.ASA感度ダイアルが巻き戻しクランクの基部に埋め込まれた。
3.シンクロ接点が軍艦部向かって右横側面から、ボディ前面の上部に移された。
4.電池Boxが軍艦部前部からボディ底部向かって左側の端に移動し、電池サイズもH-D型からSR44型になった。
5.巻き戻しクランクの板が反ったものに戻された。
6.フィルムカウンターの窓の配置が変更され、窓もシャッターボタンの後ろに移動し、丸窓になった。
7.絞り込みボタンはFTXや前期TTLと同じメッキで溝のないもの。
 この辺がTTL/TLRから変更されたところですが、これが実際に75年のモデルだとすると、絞込みボタンが早い頃のものですし、反った板の巻き戻しクランクが使われていることから、つじつまが合います。製造番号は495585と早いのもそれを裏付けていますね。個人的に最後期にシャッターボタンが軍艦部上に移動されたと思っていましたが、70年代半ばからこのタイプを作り始め、販売店に売り込む際にどちらのタイプが良いかを選ばせていたと見るのが適当なのでしょうね。
 ところで、レンズはここではF2.8の廉価版を付けていますが、AUTO REVUENON 55mm F1.8が標準となります。ちなみにレビューはドイツの写真機材商社です。

 

Safari sd300
 
 

Safari sd300

 シャッターボタンが上部に移動したタイプにも色々なOEMモデルがあります。このSafariもその一つで、カナダを中心に店舗を広げる大手スーパーのブランドのようです。これは上級モデルですが、シャッタースピードを1/500秒までにして、セルフタイマーを省いた廉価版をsd200として併売していました。
 このカメラのフィルム室印字は「611」で、76年11月製造と考えられます。製造番号は568128で、レビューフレックスより1年5ヶ月遅く、番号も7万ほど積み重ねています。ただし、この番号が斜めシャッターボタンの系列とごちゃ混ぜになっているのか、系列毎に番号の何かが決められているのかは一切分かりません。
 カメラ自体の仕様はREVUEFLEXと変わりませんが、唯一巻き戻しクランクの板が平板のものになっているところから、ひょっとすると75年までが反ったタイプ、76年からが平板になったと捉えて良さそうですね。

なお、ここではPetri C.C Auto 55mm F1.8を付けていますが、実際は化粧リングのプリントが「DIRAMIC」名になった55mm F1.7が付けられていました。OEMモデルで55mm F1.7レンズが付いたのはあまり多くないようで、同じボディのネーム違いになるPromaticから出ていたSLF/1.7と言うモデルと後述するEXAKTA FE2000用の標準レンズだけに見られます。MF-1の頃のF1.7は、焦点距離が50mmですから、設計自体が異なります。
 また、軍艦部上シャッターボタンで鋭角のプリズムカバーを持ったこれらと共通のものに、ペトリ名のSRH
1000/500とカレナSRH 1001/760(下記のものとは別のデザインです)、それにエキザクタTL 1000等がありましたが、国内向けスピゴットマウントのボディには軍艦部上シャッターのFT II系ボディは最後までリリースされませんでした。

 

PETRI FT 1000

 ペトリは「SRH」の名前でレビューフレックスやサファリと同じ軍艦部上シャッターで鋭角のプリズムカバーを持つモデルを併売していました。それをもう一歩発展させたのがこのFT 1000で、後述のカレナSRH 1001と同じモデルになります。
 このボディの最も特徴のある部分は、プリズムカバーのデザインが大幅に変更された軍艦部になった点です。それに、吊り環のアイレットが軍艦部の側面からずれて、前面との間の角に付けられ、ストラップで吊り下げた際にレンズの重さで前のめりにならないように改善されています。裏蓋にはフィルムのメモホルダーが追加され、シャッターボタンの基部にはロックレバーが埋め込まれました。
 基本的な機能はそれまでのモデルと変わりませんが、デザインはペトリ倒産後に版権を持ったコシナのハイライトEC系のものに心なしか似ています。

PETRI FT1000

 

carena SRH 1001
 

 

Carena SRH 1001

 軍艦部上ボタンのシリーズは、最終的にこのカレナSRH 1001が終点になります。軍艦部のプリズムカバーの部分の幅を広くして、エプロン部もそれに合わせて直線的になっています。しかし、同じSRH 1001でも細いプリズムカバーのデザインのタイプも販売されていたようです。おそらく製造年月で仕様が異なるのでしょう。この固体のフィルム室印字は「S769」となっていて、製造年の下一桁をこの数字の頭が示す従来の考え方ですと、77年なのはともかく、後ろの2桁が月になるはずが69となって意味不明になります。ですから、この場合、前二桁が年の後ろ二桁を、後ろ一桁が月を示すと考えれば、76年9月の製造になります。廉価版のモデルにSRH 760がありますが、そちらはプリズムカバーが細いデザインです。

 このタイプのボディはPETRI名でも上記のFT 1000とその廉価版のFT 500が作られました。ややこしいですが、PETRI名のSRH 1000と500はREVUEFLEXやSafariと同じタイプになりますが、それらとデザイン以外でどの辺が異なるのかをチェックしてみます。
1.シャッターボタン基部にロック機構が追加された(SRH
760やペトリFT 500にはありません)。
2.シンクロ接点が軍艦部向かって右横側面に戻された。
3.セルフタイマーレバーがブラックボディなのにメッキベースになっている(SRH
760やペトリFT 500にはありません)。
4.シャッターダイアルが小さいものに変更。
5.フィルムカウンターが巻き上げ軸に埋め込まれ、窓も巻き上げ軸の前・シャッターボタンの真横に移動し四角い形に変更。
6.裏蓋にフィルムメモホルダーが追加された。
7.絞込みボタンは黒で円形の溝が掘られたタイプ。
8.軍艦部前面の横線の溝は、中央部ではなくて低いところを通している。
 以上、なかなか色んなところを変更していますが、短い期間にあれこれ変えるのは大変だったと思われます。他のブランド向けにも細かく仕様を変更して、多くの銘柄で生産していたのですから、かなり面倒なことだったでしょう。レンズも鏡胴が変更されてMF-1系の標準レンズのデザインに似せていますが、実際はゴムローレットのブロックの大きさと絞りリングにも同じ形のローレットを刻んだだけの変更のようです。

 

Carena SRH 760

 上記ペトリFT 1000の廉価版にFT500がありましたが、同じ仕様でカレナ名での廉価モデルもありました。それがこのSRH 760になります。SRH 1001からの変更点は2点のみで、シャッタースピードの上限が1/500秒までに抑えられ、セルフタイマーも省かれました。ただし、それ以外での変更はなく、ペトリネームのSRHシリーズ(鋭角のプリズムカバーで軍艦部上シャッターボタンのタイプ)と異なって、シャッターボタンロックと背面にはフィルムメモホルダーが設けられています。
 標準レンズはカレナール55mm F1.8が付いていますが、F2.8のより低価格のものも選択できました。
 

carena SRH760

 

EXAKTA TL500  

EXAKTA TL 500

 戦後東ドイツにくくられた名門のIhagee(イハゲー)社は、オランダ資本のメーカーで後に西ドイツに移りイハゲー・ウェストとして60年代にエキザクタ・レアルをもって自社生産のモデルを終了します。東ドイツではペンタコン傘下に入りプラクチカのマウントを変更したRTL1000が作られましたが、それで終了しました。これに対し、西では72年頃にコシナ・ハイライトのOEMモデルのTwin-TLをレアルマウントで発売させましたが、これも1機種だけで終わってしまいました。
 そして76年にペトリに発注し、M42マウントのモデルを発売することになりましたが、これがTL 500と1000になります。この個体はフィルム室の印字が「61」ですので、76年1月に生産された固体であることが分かります。
 ボディはFTX / TTL系のものながら、シャッターボタンが上部に移動しています。絞込み測光になるのはその他のモデルと何ら変わりありません。

 廉価版につき、セルフタイマーと1/1000秒が省かれていますが、基本的にはTL 1000と変わりありまん。レンズはEXAKTAR AUTO 50mm F1.8が付いていますが、F2.8が付いたものもあります。

 

EXAKTA TL 1000

 TL 500と同時販売された上位機種。フィルム室の印字は「603」で、76年3月に生産された固体のようです。標準レンズは上記のTL 500と同じエキザクタール名のものですが、焦点距離はペトリC.Cオートと同じ55mmのままで、ヘリコイドや絞りリングのローレットのデザインを変更した以外にFTX / TTL系の標準レンズと何ら変わりがありません。逆に、TL 500の50mmはMF-1に用いられた光学系に見たところ近いようですが、向こうはF1.7でフィルター径も49mmですから、ひょっとすると異なるものなのかも知れません。
 TL 1000の絞込みボタンはセルフタイマー横にあるもので、プラスチックカバーが追加されているのがその他のFTX / TTL系のモデルと異なります。巻き上げて露出計の電源が入り、このボタンを押し込んで適正露出を決定しますが、測光範囲は全面平均測光になります。
  EXAKTA TL1000

 このOEMモデルはFTX / TTL系OEMモデルの変遷を追って行く上で、面白いターニングポイントにあるモデルだと言うことが分かります。すなわち、最初のTTLやFTX系のアーガスやフォーカル、オートマット等は、ペトリFT IIのマウントをM42化して、絞込みレバーをマウント下部のボタン式に改めて、デザインを小変更しただけのモデルでしたが、これらのペトリ独特の斜め押しシャッターボタンを軍艦部上部に移動させたのがエキザクタTLでした。その後、ボタン電池をH-D(MR9)からSR44に変更して電池Boxも軍艦部前部からボディ底部に移動させ、ASA感度ダイアルも巻き戻しクランク基部に埋め込まれたペトリSRH系になり、レビューフレックスやサファリがこのボディを使っていました。最終的にはペトリFT1000のように軍艦部のプリズムカバーのデザインが幅広タイプに変化して終了しましたが、このエキザクタのボディは変更のきっかけになった形になりました。

 

EXAKTA FE2000
 

 

EXAKTA FE 2000

 ペトリのカメラとしては3機種目のTTL-AE機で、海外向けPマウントモデルの集大成とも言うべきカメラです。Pマウントを使ったAE機は、ペンタックスESに始まる絞り優先式が一般的です。それまでシャッタースピードを瞬時に自動で変更することが機械的には不可能で、フォーカルプレーン機ではコニカが比較的早くから針押さえ式のシャッタースピード優先式の自動露出機を作っていました。ペンタックスがPマウントながらAEを成し遂げられたのは、絞りを先に決めておき、明るさのデータを電気的にため込んで、その量に応じてシャッターの後幕の閉じ始める時間を調整する電子シャッターを開発したことによります。フジカはST901でやはり電子シャッターを用いてAEを達成していますが、当然開放測光になる訳ですから、スクリューマウントの留め位置が問題になります。

 それを解決するために、ペンタックスはねじ込み量でずれる分を検知させる突起を設け、その位置から誤差を補正する方式で解決し、フジカはマウント部に定点固定用のピンを設けて、これがマウントをねじ込んで行くと最後に溝にピンの先が入り込み、定点で止まるようにして絞りの情報をどの開放値のレンズでも同じ絞りの情報が正確に伝わるようにしていました。AEではなかったですが、オリンパスFTLがこれと同じ方式で、マミヤDSX1000もやはりこのパターンでTTL開放測光を仕上げていました。これらに対し、チノンCEメモトロンやコシナHi-Lite ECは、従来通りのM42マウントながら、長いストロークのシャッターボタンの半ばで絞り込まれた時に反応の早い受光素子のSPDで明るさを感知し、即座にシャッタースピードを電子的に調整する「瞬間絞込み測光」でAEを達成しました。これらが全て絞り優先AEなのは、M42マウントの絞りが上手く制御しづらい仕組みである点によるものです。
 ではペトリはどう言う方式でAE化したのかと言うと、これがまた独創的な方法で解決していました。根本的に一から電子シャッターを作って特許料や何やらで大幅にコストが嵩むのを避けて、FTEやFA-1で使ったお手軽な針押さえ式のシャッター速度優先式を選択しました。しかし、シャッター優先にすると、測った適正絞りを正確にレンズ側に伝達する必要があり、M42スクリューマウントでは止まり位置が変わることと、レンズ毎の開放値をボディ側で検知させるための工夫が必要なことがネックになります。これをペトリはこのような方法で解決しました。
 まず、レンズの開放値をボディに伝達するために、ボディ側マウントの一番外側の2時の位置にピンを出し、レンズを回し込むと筒の後端がこのピンを押し込むようになっています。その後端の外周の出っ張りは、レンズの開放値毎に長さを変えていて、その差によってボディ側のピンが押される量も異なり、それが開放値のデータになります。0.1ミリにもならなさそうなわずかな差ですから、かなりの精度を要します。そして、シャッターに応じた適正絞りにするには、従来通りに絞り込み用のピンを押すのですが、絞り値を伝える方にもピンが出ていて、それを押す量に応じて絞りの閉じ具合が変わります。これをきちんと対応させた専用レンズでこそAEに成り得ますが、その他のPマウントレンズではどの道ファインダー内で針が示す絞りを読み取って、手動で絞りリングを回して合わせることになるので、絞り値そのもののボディとの伝達は不要になります。ですから、AEはもちろん無理ですが、どのPマウントレンズでもTTLとしては使えます。
 こんな大幅な変更を行なった訳ですが、そのAE機構とは関係のないところで、どのような変更点があったかを確認してみます。
1.シャッターロックが付けられていないが、四角いカウンター窓はボタンの真横に置かれる。
2.シャッターダイアルが変更され、側面に3つの溝があるFA-1用を利用している。
3.ASA感度ダイアルはシャッターダイアルの内部に埋め込まれる。
4.電池Boxが軍艦部向かって右前面に戻るものの、FA-1と同じくH-D型ではなくSR44を一つ用いる小さなものになっている。
5.同じく電池蓋のデザインが直径こそ小さいものの、FTやFT IIのような古いタイプに戻っている。
6.絞込みボタンがエプロン部の外側ではなく、エプロン部内の前面に移動している。
7.シンクロ接点は軍艦部向かって右横側面に戻っている。
 この他もファインダー内情報がシャッター優先AE用に絞り値がプリントされたものに変更されていますが、1.4の脇に定点位置を示す丸があり、FA-1のように2.8のちょっと上にあるのとは異なります。それにしても、1.4のマークがあると言うことは、将来PマウントでもF1.4のレンズを作る予定があったのか、既に販売していたのか、大変気になります。交換レンズもどれくらい出たのか分かりませんが、なぜかCarenar名で出ているので、ひょっとしたらCarena名のTTL-AE機を作っていたのかも知れません。
 EXAKTA名のモデルはAE機構のない上記TL
1000とその廉価版のTL 500が存在します。なお、このFE 2000のフィルム室の印字は「69」で、製造番号は523946です。76年9月の生産とすると、斜めシャッターボタンのペトリやフォーカルのTLRよりも早い時期のモデルになりますが、やはりちょっとこの辺は入り乱れていて良く分からないですね。

 

AUTOMAT TTL

 アメリカのNYとカナダのオンタリオに拠点のあったInterphoto Corp.と言う写真機材商社から発売されたのがこのモデル。「AUTOMAT」とは随分個性のないと言うかカメラ用語としては極ありふれた名前と言うか、特定のカメラを指すような表現ではないように思えますが、しっかりこの名で登録商標を取っていたようです。
 ベースはペトリFTXで、上記アーガスTTLと同様に本家ペトリのTTLより先に登場しました。その証拠に、シャッターとASA感度ダイアルがFTXと同じもので、レンズも化粧リングこそ「AUTOMAT C.C Auto」となっているものの、絞り値とmeter表記が青い文字になっていて、絞りリングもクリックがない点でFTXのものと同一です。また、フィルム室印字も「37」で、73年7月製造である点からもFTXのOEMモデルであることが分かります。ブラックボディも用意されました。
  AUTOMAT TTL

 

PETRI SRH500

PETRI SRH 500

 FTX / TTL系のM42モデルは、一旦軍艦部上にシャッターボタンを持って行ったエキザクタTL 500 / 1000のようにマイナーチェンジされましたが、それを短期間にさらに変更して名前を変えたモデル。変更点は軍艦部前部にあった電池Boxがボディ底面の巻き上げ軸側に移動させて、なおかつそれまで共通だったH-D型ボタン電池から、少し小さいSR44型に変更しています。また、軍艦部上に独立して設けられていたASA感度ダイアルが、巻き戻しクランク基部に埋め込まれた形になり、すぐ後のペトリFT 1000と同じようになっています。
 絞込みボタンは逆にEXAKTAのようにプラスチックカバーが付けられずに、元の形に戻っています。
 このSRH 500の上位機種に1/1000秒とセルフタイマーを加えたSRH 1000がありますが、カレナにもこの鋭角のプリズムカバーのままのSRH 1001 / 760があります。

 

JCPenney SLR 3

 FTX / TTL系のOEMモデルとしては早期のモデルで、73年に発売されていました。その発売元はアメリカではウォールマートと並ぶ大手スーパーのJ.C.ペニーで、自社銘柄で色々な交換レンズやストロボ、カメラバッグ等の写真用品も販売していました。
 機構的には他の斜め押しボタンのモデルと何ら変わりはありませんが、軍艦部の作りは唯一他と異なり、機種名が向かって左側前面にプレスされていません。直接プリズムカバー部のプレートに「JCPenney」の名とともに刻まれているものが貼り付けられているだけで、ここを換えるだけでどんな銘柄にも変更できてしまいそうですね(笑。
 ペトリM42マウントのOEMは、SafariやFocal等とともにこのJCPenneyのよう、大手スーパーマーケットブランドの銘柄が他にも色々出てきそうですね。
JC Penney SLR3

 

PROMATIC SLF/1.7  

PROMATIC SLF/1.7

 ペトリTTL/FTX系のボディを軍艦部シャッターボタンに改めたエキザクタTLをさらに変更して、ASA感度ダイアルを巻き戻しクランク基部に移動させ、外部シンクロ接点も軍艦部ムカって右側面からエプロン部向かって右のボディ側に埋め込まれています。さらに大きい変更点は、それまでのSR9型電池から小型のSR44型になって、ボディ底部に電池BOXを配した点です。この形態はレビューフレックスTTLやサファリsd300と同じタイプで、ペトリSRHとは異なります。
 レンズはボディ名に使われた通り、他のF1.8と異なってPROMATIC C.C Auto 55mm F1.7が装備されていますが、見たところ光学系はF1.8と変わりない感じです。レンズの絞りは初期のTTL/FTXと同様に定点のクリックはないタイプです。
 PROMATICはアメリカの写真用品商社のようで、MF-1のOEMモデルのCOMPACT-Rも販売していました。

 

SPIRAFLEX TTL

 アメリカの写真用品商社のスピラトーンから発売されていたペトリTTL前期のOEMモデル。スピラトーンは60年代から日本製の写真用品を輸入して格安販売したことで成長したブランドですが、70年代にも様々なB級レンズを送り出していました。レンズ関連の商品がメインでカメラ本体はあまり見かけませんが、こうしてペトリ製の一眼レフも販売していました。
 フィルム室の印字は「37」ですので、おそらく1973年7月生産のモデルで、前期TTL/FTXと同じ仕様のボディです。レンズは本来SPIRATONE C.C Auto名ですが、ここではPetri名の同形のレンズを装着しています。
  SPIRAFLEX TTL

 

universa INTERFLEX TL1000  

UNIVERSA
INTERFLEX TL1000

 ドイツ向けに輸出されていたモデルで、軍艦部シャッターになってからのボディながら、safari SD300等とは異なって、シャッターダイアルの小さいSRH系のボディになります。
 このウニヴェルサと言うブランドはUniversa Fototechnik GmbHと言う精密機器の商社で、他社からのOEMものを販売していたようです。一眼レフではコシナ製のINTERFLEX TL(ハイライトのOEM)の後に、ペトリがTL500/1000のモデル名で引き継いでいました。
 レンズは本来ペトリFT1000と同じデザインのAUTO-UNIVERSAR 55mm F1.8ですが、ここでは中期TTL用のPetri C.C Autoを付けています。 

 

WEIST SL-35a

 WEISTはスウェーデンの写真関連機材の商社で、大元は1943年のForsner社になります。その後FNS Weist AB社と名を変えましたが、1979 年に倒産しました。
 写真商社が自社ブランドを日本製OEMモデルに刻むのは良くあることで、このWEISTも76年にはまずチノンに発注して、CHINON CXのOEMモデルWEIST SL-35を発売していましたが、その翌年にはペトリに鞍替えして「a」の文字を足しただけになりました。
 ペトリ名のモデルにはこれと全く同じものはありませんが、EXAKTA名のTL1000とは同じモデルになります。すなわち、軍艦部上面シャッターのタイプで軍艦部前面巻き戻し側に電池室があるものです。基本的にM42マウントのFTX/TTL系のモデルですが、フィルム室の印字から77年5月に製造されたペトリ最末期のものだと分かります。
 

ボディ・レンズの変更の流れ

電池Box三種

 電池室の移り変わり。元々FT系のボディは軍艦部向かって右前にH-D型電池を収めるようになっていて、大きな蓋が正面から見えるのがデザイン的な特徴にもなっていました。これが軍艦部上のシャッターボタンのモデルでは、底蓋の向かって左端に移され、電池も一回り小さいSR44に変更されました。そして、エキザクタFE 2000では、再び軍艦部向かって右前部に戻りましたが、FA-1と同じように電池のサイズは小さい方のSR44が用いられ、当然ですが蓋も小さい直径のものが使われています。

 

 上段奥がPetri TTLで、手前がCarena SRH1001、下段奥がEXAKTA FE2000で手前がSafari sd300です。ご覧のように背面はほとんど皆同じなのですが、カレナSRH 1001だけにフィルムメモホルダーが付けられていました。
 EXAKTAとSafariにはそれぞれ右と左にマークが掘り込まれています。他にPromatic SLF/1.7にも左側にマークが入っているようですが、他のモデルには刻まれていません。反対にカレナだけは自社の盾のマークが前面のシボ革の部分に埋め込まれています。ちなみに、FT
IIやFA-1にはエキザクタと同じように「PETRI CAMERA CO.,INC.」と刻まれています(下枠の画像参照)。

背面1
背面2

 

スプトケットと裏蓋

 裏蓋内部の変遷。上のペトリFTではフィルムパーフォレーションに噛み込むスプロケットが、上下に3本ずつ溝が刻まれたデザインのものが使われています。
 中段のFT
II前期型ではスプロケットのデザインが変更され、細かい横溝が全体に刻まれたものが使われていますが、同じ頃の別の個体では上下3本溝が使われています。
 下段はFTXですが、ここではどう言う訳かFTと同じ古いタイプの上下3本ずつの溝のスプロケットが使われていました。この後のM42モデルは、最後までFT
IIと同じ細かい溝が全体に掘られたものが使われています。
 裏蓋自体はフィルムを押さえ込む板バネがFTXから付けられています。それ以前のモデルでは、小さな突起がフィルムを軽く押さえていたようです。

 

 標準レンズの移り変わり。左は初期のFTX用55mm F1.8で、mtr表示と絞り値が青い数字になっていて、絞りリングはクリックなしで、被写界深度の刻まれた筒は銀色仕上げです。隣は最も多く見られる55mm F1.8で、mtrと絞りの表記が緑色の文字に、被写界深度目盛りがオレンジ色になっています。初期のPetri TTLでは被写界深度のリングがFTXと同じクローム仕上げのものあります。次はFT 1000等の後期の55mm F1.8で、ゴムローレットやヘリコイド・絞りリングのデザインがMF-1用の50mm F1.7と共通化が図られています。最後はFE 2000用の55mm F1.7で、EE専用の機構が追加されています。また、Pマウントの55mmで開放値がF1.7のレンズは、Promatic名のもの等があります。これに対し、F1.4は制作された形跡は見られません。

標準レンズ1
標準レンズ2

 

廉価版標準レンズ

 廉価版標準レンズ。ペトリは1/1000秒シャッターやセルフタイマーを外したモデルを廉価版モデルとして名前を変えて販売することが多かったようですが、それらには55mm F2.8と言うテッサー型のレンズが装着されました。画像はカレナールとオート・レビューノンですが、文字の色とゴムローレット以外は同じです。もちろんPetri名のものもありましたが、これはほとんど同じデザインのコシナのものがあり、ペトリがコシナに発注していたものと思われます。ただ、日東光学にも同じタイプのものがあり、この辺のことについては、当時の情況は今となっては闇に包まれてます。

 

フィルム室印字と年月 カメラ名 プリズムカバー シャッターボタン位置 絞込みボタン 共通のボディ
211(72年11月) PETRI TTL(初期) 鋭角 ボディ前面斜め メッキ FTX
37(73年7月) AUTOMAT TTL 鋭角 ボディ前面斜め メッキ TTL初期/FTX
37(73年7月) SPIRAFLEX TTL 鋭角 ボディ前面斜め メッキ TTL初期/FTX
310(73年10月) JC Penney SLR 3 鋭角 ボディ前面斜め メッキ TTL初期/FTX
46(74年6月) ARGUS TTL 鋭角 ボディ前面斜め メッキ TTL初期/FTX
48(74年8月) PETRI FTX 鋭角 ボディ前面斜め メッキ TTL初期
55(75年5月) REVUE TTL 鋭角 軍艦部(ロック無) メッキ Safari sd 300
58(75年8月) PROMATIC SLF/1.7 鋭角 軍艦部(ロック無) メッキ REVUEFLEX TTL
61(76年1月) EXAKTA TL 500 鋭角 軍艦部(ロック無) プラスチックカバー なし
G62(76年2月) PETRI SRH 500 鋭角 軍艦部(ロック無) 黒 carena SRH760前期
603(76年3月) EXAKTA TL 1000 鋭角 軍艦部(ロック無) プラスチックカバー なし
C63(76年3月) univwrsa INTERFLEX 鋭角 軍艦部(ロック無) 黒 PETRI SRH1000
K607(76年7月) PETRI TTL(前期) 鋭角 ボディ前面斜め メッキ PETRI TLR
69(76年9月) EXAKTA FE 2000 鋭角 軍艦部(ロック無) 黒 なし
611(76年11月) Safari sd 300 鋭角 軍艦部(ロック無) 黒 PROMATIC SLF/1.7
K611(76年11月) PETRI TTL(後期) 鋭角 ボディ前面斜め 黒 PETRI TLR
72(77年2月) PETRI TLR 鋭角 ボディ前面斜め 黒 PETRI TTL
G74(77年4月) FOCAL TLR 鋭角 ボディ前面斜め 黒 PETRI TTL
K706(77年6月) PETRI FT 1000 幅広 軍艦部(ロック有) 黒 carena SRH 1001
S766(77年6月) carena SRH 760(後期) 幅広 軍艦部(ロック有) 黒 PETRI FT 500
S769(77年6月) carena SRH 1001 幅広 軍艦部(ロック有) 黒 PETRI FT 1000

 

 こうして見てきますと、FT II系のM42OEMモデルの変遷が明らかになってきました。まだPhokina RXとARGUS STL1000は手元にありませんが、画像で見る限りではここにアップした機種に当てはまるので、それらも加えておきます。
● PETRI TTL初期・FTX・Argus TTL・JC Penney SLR3・AUTOMAT TTL・SPIRAFLEX TTLのグループが第一弾。
● シャッターダイアルやレンズのペイントを変更したPETRI TTL中期・後期・TLR・Focal TLR・ARGUS STL1000が第二弾。
● シャッターを軍艦部に持って行ったEXAKTA TL系が第三弾。
● 電池をSR44にして底部にBoxを移動させたRevueflex TTL・Safari SD300・PROMATIC SLF / 1.7・Phokina RXが第四弾。
● シャッターダイアルと外部シンクロ接点を変更したPETRI SRH500/1000・Carena SRH760/1001前期・universa INTERFLEX TL1000が第五弾。
● 軍艦部を幅広デザインにしてシャッターボタンロックをフィルムメモホルダーを追加して、カウンターも変更したPETRI FT1000とCarena SRH 760/1001後期が第六弾。
 こんな感じで変更されていますが、まだまだ異なる銘柄もあるでしょう。ただし、ボディの仕様は多分この6タイプで打ち止めでしょう。
 以上のようにペトリのFT系ボディのM42マウントのモデルの変遷をまとめてみましたが、たかだか72年末から77年の倒産時までの5年間に、随分と細かい変更をしていたことが分かります。また、斜めシャッターボタンのタイプが早い時期で、軍艦部ボタンが後のモデルだと勝手に考えていましたが、用いられる細かいパーツから、必ずしもそうではなくて、両方のタイプが並行して生産されていた可能性があることが分かりました。まだまだ入手できていないモデルも多いですが、ペトリ末期のM42マウントのモデルとそのOEM機から、色々と面白いことが分かると同時に、ここまでして何とか稼がざるを得なかった当時のペトリの運営情況が分かるような気がして、何やら切ない気分に包まれます。この大柄な一眼レフは、小型化へ向かう当時の流れからは完全に逆行していましたが、今実際に使ってみると、結構ホールド感があって、使い勝手が良いことに気付きます。静かとは言えなくても歯切れの良いシャッター音や、なかなか侮れない実力の標準レンズの描写力等、魅力一杯のカメラ達ですね。
 

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