TOPCON CLUB(トプコンクラブ)〜トプコンよもやま話3

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 レンズフードの話2
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 さて、ここではその後のレンズフードの流れと、バヨネット型ではないタイプのものをご紹介したいと思う。REオートトプコール系のレンズフードは基本的にバヨネット型であるが、それは28mmから100mmまでのことで、超広角レンズや135mm以上の望遠レンズにはこれは当てはまらない。また、UVトプコールのシリーズと、後期のREトプコールNシリーズの共通性も面白いところである。

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 上はREオートトプコール85mm用と58mm f1.4用を並べたもの。長さが違う以外に変わりはない。

 下はREオートトプコール用と、スーパーDMの時代のREGNトプコールM50mm f1.4ないしf1.8用のものを並べたもの。REGN50mm用は1.4/1.8とも共通になっているところがそれまでのものと異なる。違う二つのものを新たにデザインして生産するコストを削減したかったのであろうか。どのみち同じ効果が得られれば、ユーザーは全く気にしないことなので、一本化は正解だったろう。REオート用からの変更点は基部の黒メッキ化だけである。これは、レンズのデザインとの統一化を図ったものと思われる。よく、これを見てコストダウンされたものだと言う人がいる。確かに高級感は損なわれるが、決して作りが安っぽくなった訳ではない。かえって精悍な印象になるので、個人的には好感が持てる。

 前のページから続くこれらのバヨネット型フードの特徴は、口径が若干太めに作られていて、フードを逆にして取り付けると、ちょうどよいレンズ保護に使えるということである。また、そのままケースに収めることもできるので、携行性もとてもよい。

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 左がREオートトプコール20mm用で、右は同25mm用。どちらも同じ作りで、レンズ鏡胴の先端にはめ込んで、ネジを締めて内側のリングを押し込んで固定するもの。形が変わっていて、四角く切り抜かれた穴で遮光するという発想で作られており、中にシリーズ9の汎用フィルターを挿入することができるようになっている。その後、コニカの超広角レンズ用のフードも似たような形を採っていた。

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 これはRトプコール300mm f2.8であるが、1957年に発売された時から引き出し式内蔵型フードを備えていた。以来、この形式はトプコール望遠レンズの定番となるのであるが、Rトプコールの時代は135mmも200mmもかぶせ式のフードを採用しており、本格的に引き出し式となるのは1959年以降のFオートトプコールからである。それにしてもこれはかなり深いフードである。二段式になっていて、実にスムーズに前後してくれる。フードを引き出した姿は1000mmレンズのようだ。

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 こちらはREオートトプコール500mm f5.6。フードはやはり引き出し式であるが、二段式ではなく300mmほど深くはない。しかし、このフードにはちょっとしたカラクリが仕組まれていて、引き出したところでフードを左に回すとロックがかかり、固定されるのである。なかなかうまくできていて、外側からではその仕組みは確認できない。ビシッと固定されるので、何の不安もなく撮影に没頭できる。

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 この二つは左がUVトプコール50mm用で、ユニレックスの時代のもの。右は53mm用でウィンクミラーS・ユニの頃のもの。それにしても、その作りは天と地程の差があり、53mm用はプラスチック製で内側の反射もかなりすごそうだが、50mm用はしっかりとした金属製でレンズに合わせてメッキが施されている。この頃のレンズシャッター機は高価になりつつあり、フォーカルプレーン機の競争から高級感が求められるようになっていた。

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 これもユニレックス時代のUVトプコール28mm用。やはりシルバーの美しい金属製である。標準用のものも同じだが、これらのフードは鏡胴の先端に取り付けられるのではなく、ヘリコイドリングの先の内側に刻まれたネジにはめ込むようになっている。よってフードとヘリコイドリングが同時に回転するので、全く邪魔にならないという利点がある。また、REオートトプコール用と同じく、逆さにかぶせてレンズキャップを付ければ、レンズ保護の役目を果たすようになる。ちなみに35mm用は53・50mm用と併用する。

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 これは1976年から発売されたREトプコールN135mmと、その前のモデルのREオートトプコール135mmを、フードを引き出して比較したものである。左のNシリーズレンズはみてくれこそ新型だが、フードの奥行きはとても浅く、標準レンズ用以下である。それに対してREオート用は二段式で実にしっかりとした作りである。全盛期に設計されたレンズと、風前の灯状態になって作られたレンズでは、こんな所にも大きな違いが表れていて面白い。

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 オートトプコール用フードは、基本的な形を変えずにFオートトプコール用でバヨネット化されてさらにRE用となったが、100mm用だけは事情が異なり、その面影はF用・RE用のものを全く感じさせない。特に異なるのは、これが二段の引き出し式である点である。これにより、他のオートトプコールやRトプコールと同様、フードを逆さに付けてレンズキャップをその上から被せることができた。Fオート用は二段式ではなくてもこれが可能であるが、オートトプコールの場合二段式にしないと絞り込みボタンのアームに邪魔されてしまう。それにしてもわざわざフードにまでこうした強いこだわりを持っていたのには驚かされる。

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 こちらはRトプコール9cm f3.5と13.5cm f3.5の共用フード。本来その作りは基本的に上記10cm用と変わらず、左右に設けられたボタンを押して歯を引っ込め、レンズ鏡胴の先に刻まれている溝にそれを落とし込んで固定する方式。しかし、ここに紹介しているものはなぜか一般的なカブセ式の外側に設けられた小さなつまみを回して固定するタイプに改造されている。まあ、どちらでも問題はないのだが、個人的にはできればオリジナルの状態のものを手に入れたいものである。

R135200hood.JPG  左は1958年から売られていたRトプコール200mm f5.6用、右は同135mm f2用のレンズフードである。取り付け方法は単純なねじ込み式であるが、御覧の通りフードの底にレンズキャップが取り付けられるようになっている。そのため、フードには段差が設けられており、口径の狭い方がレンズの先端の外径と同じ太さになっている。この状態でフードごとレンズに被せられるように、フードの太い部分もレンズボディの太さに合わせてある。とてもよく考えて作られたもので、こうした細かい配慮がトプコン党員の心をくすぐるのであろう。

UVRENhood.jpg  上段左からUVトプコール100mm用、同135mm旧型用。下段左はREトプコールN200mm用である。いずれもプラスチック製のチャチな作りである。UVトプコール用はその定義が入門機的なものだったので肯けるが、新型のREレンズであるNシリーズの200mmが同じ作りなのはどういう訳だろうか。トプコンファンには寂しい話であるが、もうこの頃になるとトプコンには新型レンズを自主設計して生産する能力はなく、このレンズも後のシムコが設計したものであると言われている。レンズ自体の作りもとても情けないものであるが、フードまでこのように玩具みたいなものであると、ファンもついにここまできたかと思ってしまうだろう。大幅なコストダウンは結果としてトプコンをカメラ産業界から撤退させる促進剤になってしまったかのようだ。ちなみに下段右はREズームトプコール35〜100用だが、残念ながらこのレンズ用にオリジナルフードは生産されなかったので、個人的に汎用のフードを35mm側でケラれないギリギリの深さまで実写して試しながら削って作ったもの。

AM28hood.jpg  こちらはAMトプコール28mm用のフードであるが、REトプコールN 28mmのものと共通である。折畳式のラバーフードであるが、正面から見ると淵の部分にTOPCONの文字が浮き出ている。取り付けはカブセ式であるが、固定は上記Nシリーズの200mmと同様に、外側のネジを締め上げるタイプ。それなりに作りがよく、コンパクトに折り畳めることも相まって、使い勝手もなかなかだと思う。と言っても、やはり60年代の金属製のバヨネットフードに比べるとかなり見劣りしてしまうが。

 以上、レンズフードのの変遷を見てきたが、トプコンの全盛時代の50〜60年代と、火がだんだんと消えかかっていく70年代後半とでは、こんなにも質が違うのだということがお分かり頂けただろう。さすがにスーパーDMはフラッグシップ機だけに品質は落とせなかったし、その頃はまだ責任者があの河瀬澄之介先生であったこともあって、ニコンやキヤノンに比べて明らかに少ない開発費の中で、何とか最高のものを作ろうという気迫が感じられるが、Nシリーズの頃になると彼も退職され、カメラの売り上げも伸びないまま、残念ながら品質もガクッと落ちることになってしまったのである。REスーパーを開発していた当時、スタッフの誰もが将来この名機に、安っぽいREトプコールNレンズを装着し、UVシリーズと同じような(それ以下とも言える)品質のフードを付ける…、なんてことになるとは思いもよらなかったことであろう。残念なことであるが、これは歴史的事実なのである。

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