World Leica Copies - France

Foca Universal

種類 : Universal
発売年：1949年
メーカー：OPL
サイズ：
重量：
シャッター: 布幕横走りフォーカルプレーン　B、1～1/1000秒
ファインダー：二重像合致一眼式
標準レンズ：オプラー50ミリ2.8
レンズマウント: 専用バヨネットマウント
分類番号: グループ2

フォカはフランスで唯一のライカ型カメラである。OPL社による構想は戦前から始まったが、第二次大戦の勃発、ナチスドイツのフランス占領に至り、その設計はドイツ軍に隠れ地下で進められた。戦後すぐの1945年に最初のフォカFP2シリーズ（☆☆）が発売。これは独自のスクリューマウント、標準レンズのみ距離計連動、一眼式ファインダー、スローシャッター無し、というような仕様であった。さらにFP3（☆☆☆）・FP1（☆）を経て1949年にこのユニバーサルが登場する。

　このユニバーサルはスクリューマウント系フォカの欠点であった、標準にしか連動しないレンジファインダーを全てのレンズに連動するようにするべく、当時では先進的なバヨネットマウントを搭載した。同時代のライカIIICと比較しても優れている部分も多い。
　距離計は一眼式で、標準レンズでのスナップには便利だが、有効基線長が短いため望遠では不利。全体の作りはかなり良く、感触も悪くないが、シャッター音はジャッと言う具合に大きい。
　裏蓋はコンタックスと同様、底蓋ごと外れる形式でバルナックライカより装填は楽。ただ、フィルム質内のスプロケットについている銀色のカバーを開けてフィルムをはさむのを忘れるとコマ間がばらつくので注意。またこれにはさみ忘れると巻き上げ途中でノブを放すとシャッター幕が開始位置まで戻ってしまう。

　レンズも当時のライカに負けないほど豊富で、28ミリＦ6.3（非常に少量）、28ミリＦ4.5、35ミリＦ3.5、50ミリＦ1.9、50ミリＦ2.8、90ミリＦ4、135ミリＦ4.5と揃っている。

作例：「昭和の夏」

Foca Universal

オプラー50mm F2.8
シャッタースピード～1/25秒
絞り～開放

　今回は開放最短距離と悪条件で試している。ネガ使用のため、色は厳密にはいえないが、プリントを見る限り鮮やかな色合い。ピ
ントは合焦点ではシャープ、ボケはやや非点収差が出ているためか、やや渦を巻く。レンズ構成はF2.8のレンズながら贅沢な4群5枚。実用に十分なレンズと思われる。

by 絶版倒産カメラ狂

Foca Universal R

種類: Universal R
発売年: 1955年
メーカー: OPL
サイズ: 142x75x78mm
重量: 750g
シャッター: 布幕横走りフォーカルプレーン
T,B,1,2,5,10,25,40,50,100,200,500.1000
ファインダー: 二重像合致一眼式
標準レンズ: OPLAR 50mm F2.8　f2.8～22 4群5枚
レンズマウント: 専用バヨネットマウント（バヨネットタイプ1万800本生産）
シリアルナンバー: 200.6305R
分類番号: グループ2

　カメラ発祥の地フランスの35mmフォーカルプレーンカメラは、スーパーリンクスI型/II型と、このフォカの10機種の計12機種がある。スーパーリンクスはそのままライカコピーなのだが、フォカはフランスの意地を見せたのか、デザインや距離計、シャッター、裏ぶた、マウント（スクリューとバヨネット）の機構に独特なものが見られる。

　このユニバーサルRは、前機種のユニバーサルに巻き上げレバーとセルフタイマーを装備したもので、その後最終機のユニバーサルRCでは、パララック自動補正の等倍ファインダーが装備される。
　交換レンズは28mm、35mm、50mm、90mm、135mmがあり、ミラーボックス用にも50mm、105mm、200mm、500mmというフルラインが用意されている。しかしながら、レンズを単体で探してみるとなかなか売られていないが、時間をかけて探すのも楽しい一面ではないだろうか。

　さて、このユニバーサルRは、バルナックライカに比べれば使いやすいと思われる。このカメラを持って撮影している人がほとんどいないので、目立つこと間違いなしだろう(笑)。
　OPLAR 50mm F2.8は、開放で柔らかく周辺が少し流れる。f5.6以降はシャープになる。フランス独特なのか、昔懐かしい色彩が見られる。また曇や雨の日にびっくりするほど美しい描写が得られる。これはフランスの気候風土特有のものが描写に現れているのではないだろうか？

作例:「紫陽花」

Foca Universal R

OPLAR 50mmf 2.8

シャッタースピード～ 1/125

絞り～ f2.8

　周辺が少し流れるようではあるが、そう気にはならないほどである。線は柔らかいし、色彩も淡く、昔懐かしい感じがする描写であると思う。

by T-REX、ジオグラフィック