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Leotax FV

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種類: FV
発売年: 1958-59年
メーカー: Leotax Camera Co.
サイズ: 140x73x32mm(ボディのみ)
重量: 約500g(ボディのみ)
シャッター: 布幕横走りフォーカルプレーン T、B、1〜1/1000秒
ファインダー: 二重像合致二眼式
標準レンズ: トプコールS 5cm F2
レンズマウント: L39スクリューマウント
分類番号: グループ1b

 レオタックスは1939年に日本で最初に35mmライカ型カメラを製作したメーカである。当初は距離計のないモデルであったが、すぐにライカのファインダーの特許を避けた、有名な"スペシャルA"を生産する。戦後には東京光学と提携し、その素晴らしい描写のレンズも相まって一世を風靡したが、50年代後半には一眼レフの時代に乗り遅れ、優れた技術と手堅い作りを持ちながら、このFVと廉価版のメリット・エリートを最後に倒産してしまった。

 このFV型は54年発売のF型のダイキャストフレームを用い、徐々に発展させていった最終型で、レオタックス中の最高峰にあたる。後にしばらくして登場するレオタックスGは、倒産後に下請け業者が部品を組み上げて販売したもので、純レオタックス製とは言えないし、実際まともに使えるものが少ないそうである。FVにも難点はあり、初めて巻き戻しをクランク型にしたが、ここが弱く、故障しやすいと言う。

 ところで、FVの進化した点は、まずレバー巻き上げになった点が挙げられる。巻き戻しクランクにも言えることであるが、バルナック型カメラのデザインを崩すことなく、それでいて非常にすっきりとまとまっている。見た目に両者ともノブダイアルの面影を残しながら、例えば巻き上げ側にはそこにフィルムインジケーターなどのパーツを埋め込んでいる。巻き戻しクランクは普段は回転しないが、このクランクを起こすとギアが噛み合い、巻き戻しができるようになっている。しかし、普段回転しないと言うことは、フィルムが確実に巻き上げられているかどうか不安になるが、その点も巻き上げの際にシャッターボタンの後ろに見える小窓の中の円盤が回転して確認できるように、万全である。ボタンの位置そのものも前に出て非常に押しやすくなっている。
 もう一つ、前のTV型からファインダーも進化しており、ビューファインダーの口径が大きくなり、ブライトフレームさえ入っている。一見これまでのバルナック型カメラと何ら変わらないように見えるが、よく見ると確かに大きくなっているのが分かる。ファインダーカバー部もよく見ると右にギリギリまで広がっているのが確認できよう。ここは裏側もいっぱいいっぱいまで横に広がったが、接眼部が大きくなったことによるのだろう。いずれにしても、バルナック型カメラの最終発展形と言っても過言ではなかろう。
 標準レンズはトプコールS 5cm F2で、このレンズは「ズミクロンを超えた」と当時言われたレンズで、解像度のみならず、階調の豊かさやボケにも重点を置いた設計で、当時の国産レンズ随一の実力を持つ。このレンズには3種類あって、57年半ばの雑誌広告では後期のアルミ製黒鏡胴のものが付いている。しかし、当初はT2型と併売されていて、それに付けられていた中期型白黒鏡胴のレンズも付けられて売られていたようである。性能はどちらも甲乙付け難いが、中期のレンズが最も優れていると思う。

作例:「にっこり」

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使用カメラ:レオタックスFV レンズ:トプコール5cm F1.5
シャッタースピード:1/250秒 絞り:f8 Agfa Vista100 ナニワカラーキット現像

 落書きされた堤防の壁面を撮ったもので、壁面の小さな穴が隅から隅までくっきりと写っている。こうした被写体は一見レンズのチェックには向かないような気がしたものの、同じところで他のレンズでも撮ったが、それは像の流れがはっきりと見て取れた。かえってこうした豆粒のような影がランダムにある方が、チェックには向いているのかもしれない。

by トプ・ガバチョ

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