ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング〜単独走行編5

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 11月18日、大弛峠を信州側に下りたところにある廻り目平キャンプ場に、前日から集ってOFF会を楽しんでいるふみ坊さん、笑遊Web仲間の皆さんと合流すべく、早朝の5時過ぎに家を出た。実は今回が初のお披露目となるカワサキ唯一のトライアル車である、KT250で本格的なダートをアタックすることがこの度の大きな目的の一つであった。
 7時半過ぎには余裕で中央道の韮崎インターを出たが、そこから先がちょっと失敗して、信州峠を抜けて川上村に至る予定が、なぜか観音峠を抜ける羽目になってしまい、大幅に時間をロスして廻り目平に到着した。久しぶりに出会った皆さんも元気そのもの。
 今回のOFF会には新たにこぐまさんご夫婦が加わって、昨夜はさぞ楽しかったことだろう。私は仕事の都合で前日は参加できなかったが、朝に皆さんとお会いできてとても嬉しかった。

 前列左から、長距離ツーリスト信濃男爵さん、初めてお会いしたこぐまさん、バイク・四駆・トレッキングと何でもありのnabekunさん、どんな枝道でもGOの山男さん。後列左から、コーラマン取締役ふみ坊さん、今回はジムニーで登場の一つ目さん、とっても明るいこぐまさんのご亭主、行き止ま林道学博士kenkenさん、そして今回の主催者の師匠こと笑遊さん。これに私めを加えた総勢10名に上る本格的なOFF会であった。ただし、この後はそれぞれ思い思いのところに散って信州の山道を楽しむことになった。

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 ところで、私は相木川上林道の途中にあるちょっとした広場にトランポを置いて、そこから周辺のダートをバイクで走る予定であったので、一つ目さん、ふみ坊さん、nabekunさん、山男さんらのグループと別れてとりあえず車とバイクにガソリンを入れるべく、川上の村役場の方に向かった。ちなみに彼らは相木川上林道と中津川林道を楽しんだ後、国道299回りで秩父方面から帰宅するとのことであった。

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 ガソリンを入れて、朝食兼昼食を買って相木川上林道の半ばまで車を進めて、走り出す準備の前に腹ごしらえをしていると、後ろからエンジン音が響いてきた。おやっと思ったら、何と先に行ったはずのふみ坊さん達である。どうしたのかと思って尋ねてみると、途中の分岐を直進して、支線を調査すべく走ってきたそうである。それによると、この支線はかなり先まで延びており、片道で約4キロ強まで開設工事が進んでいるとのこと。とりあえずは皆さんとこの林道の出口までご一緒して、ひと時を楽しませて頂いた。
 それはそうと、さすがにここは寒い。来る途中の天気予報で、野辺山が現在氷点下6℃と言っていたが、野辺山とすぐ近くの川上村も当然寒い。
 前日からいらしていた皆さんは、この中でテントを張って寝ていたのであるから、本当に大したものである。まさかここまで寒くなるとは思ってもいなかったので、私はGパン一枚で走ったが、これはかなり過酷であった。

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 初めのうちはタイヤにエアがパンパンに入っていて、何やら堅い乗り心地であったが、意外とグリップしてくれるものだ。ただし、座ったままだとRブレーキにうまく足を乗せられないのがつらいところ。シフトもかかとで前から後ろに蹴らなくてはならず、えらくやり辛い。

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 さて、出口で皆さんと別れた僕は、ここから単独でアタック(とも呼べないが)を敢行した。まずは相木川上林道の東側出口から少し戻ったところにある分岐を北側に折れ、見るからに廃道といった感じの支線を走ってみた。かなり枯れた雑草が路面を覆っていたが、何とか走れた。頭蓋骨大の落石も多く、それらをさけつつ走っていると、途中道の2/3が崩れてているところに差し掛かった。しかし、バイクで走れないこともないので、「これぞトライアルバイクの本領発揮の場だ!」などと勝手に思いつつ、そのまま進んでみると、少し先で完全に道がふさがっていた。全体でおよそ2km弱といったところだろうか。

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 初めの廃道を往復して本線に戻り、先程皆さんが言っていた支線を走ってみることにした。相木川上林道の本線はあまりギャップのない走りやすい道で、ところどころ氷結しているところもあったが、それがもとでスリップダウンということもない。
 支線に入ると道は本線よりも整備されていて、幅も広くとても快適な感じである。途中作業用のトラックと入れ違ったので、ひょっとして日曜日の今日も作業しているのかと思ったら、案の定最終地点で数人の作業員が仕事をしていた。ここはお邪魔してはいけないので、早々に立ち去ることにした。
 この支線を戻ると、本線との分岐に近いところに、これまた廃道らしき道を発見したので当然アタックしてみることにした。

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 左の写真はいずれもその廃道の途中でのもの。写真では分かりづらいが道はかなり荒れていた。
 初めのうちはかなり枯れ草が路面を覆っていたが、日の当るところでは上の写真のように壁側の斜面が崩れていた。意外にも道は切れず、かなり進むことができたが、2km以上走った辺りで一段上の写真のように大きな岩が崩れて狭い道をふさいでいた。さすがにこれではいくらトライアル車でも無理なので、仕方なしにUターンしたが、道はまだかなり先まで伸びていた。

 相木川上林道を戻って、次に大弛峠を目指したが、途中Fフォークに取り付けておいたメーターが外れて転がり落ちてしまった。これは別に純正パーツでもなんでもないので、惜しくも何ともないのだが、やはりちょっといやな感じである。
 ところで、峰越林道は信州側で雪が積もっているという情報をOFF会の際に聞いていたので、半分ワクワクしつつ、もう半分はちょっと不安な気分で道を登っていった。しばらくのうちはちょっと氷が張っているところもあったが、全体的にグリップは良好で、何ら問題なくトコトコと走っていた。

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 しばらくすると後ろからバイクがやってきたので軽いバトルを楽しんだが、さすがはKT。4速ではエンジンが回り過ぎ、5速では急にギアが高くなってさっぱり回ってくれない。やはり飛ばすバイクではないのは明白である。

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 そのうち、上の写真のように雪が路肩を覆うようになってきたので、一旦休んで写真を撮っていたが、指が思うように動かない程寒い。相木川上林道ではトライアル乗りを気取って、スタンディングをしょっちゅうしていたが、ここで腰を上げると寒いこと。風を全身で受けるばかりか、尻で暖められていたシートが冷え切るので、再び座った時にまた寒くなる。グローブも冬用のものではないので、レバーに指をかけているのもしんどい程だ。まさか11月の山梨と長野の県境がこんなに寒いとは思ってもみなかったので、気楽に考えていたのであるが、ちょっと甘かったようだ。

 ようやく大弛峠の駐車場に到着すると、先程一緒に走っていた方が休んでいた。話をしてみると彼も横浜の方だそうで、このところ仲間が皆バイクから降りてしまって一人で林道ツーリングをしているとのことである。寂しいものだが、これも致し方のないことなのであろう。
 二人で一緒に撮った写真が右の一枚であるが、逆光のために顔がはっきり見えないのが残念である。今度は是非ともご一緒にツーリングしたいものである。(Oクボさん、今後ともどうぞ宜しくお願い致しますね。)

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 左の二枚はかなり日が傾いてきた復路でのもの。信州側は日陰になるため、日落ちも早い。

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 これも復路でのスナップ。上に見える斜面の崩落したところに残る雪がVサインのようで面白かったので記念写真を撮っておいた。
 ところで、登りでも雪道は結構滑った。いくらトライアル車とはいえ、滑ることはどんなバイクであれ変わらない。ただし、車高が低い上、車体も軽いので、滑った後の車体の立て直しは楽であった。しかし、登りですらこんなに滑るのだから、下りはさぞ大変だろうなと思いきや、意外にもさほどでもなかった。というのも、登りはどうしてもアクセルを回し気味にせざるを得ないが、トライアル車はギア比が極端に低いので、ちょっとアクセルを回しただけでかなりの勢いで後輪が回ろうとする。これに対して下りはエンブレを効かせながらアクセルを閉じ気味に走ることになるので、下手にRタイヤにトルクをかけることもなく、程よくグリップしてくれる。とはいえ、スピードはせいぜい20km/hといったところではあったが。
 林道を下り切ると、まだ4時前なのにもう薄暗くなっていた。これは高い山が日を遮っているためなのは明白であるが、ちょっと早過ぎる感じである。横浜の感覚でいうと、2月のような印象である。しかし、薄暗くなってから完全に暗くなるまではそこそこ時間があるので、トランポを駐車しているところに戻って、帰り支度をしている最中はずっと多少ではあるが明るかった。
 往路で落としてしまったメーターだが、復路で無残な姿で見付かった。ガラスは割れ、ケースも歪んでいたので、とても再利用できる状態ではなかった。やはりトライアル車専用のものを取り付けないとダメなようである。

 この写真はトランポを置いてある相木川上林道での記念写真。今回はうっかりと三脚を持って行かなかったので、あまり自分の写真を撮ることができなかった。
 さて、KTのオフ初乗りになった今回のツーリングであったが、寒いながらもとても充実していた。廃道あり雪道ありと、トライアル車のデビューにとって、これ以上ない環境であったと思われるが、いかんせん寒かった。やはり個人的には寒いのはちょっと苦手である。あの寒い山でキャンプをしていたOFF会仲間の根性には、改めて敬意を表したいと思う。

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