ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング〜単独走行編6

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恵那山林道
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 8月14日、カメラ仲間と奈良井宿に撮影をしに行ったが、夕食後木曽福島で別れて独り中津川に南下し、ビジネスホテルに泊まってソロツーリングを楽しむことにした。せっかく木曽方面にやって来たのだから、ここはツーリングもせずに帰るのはもったいない。
 よく15日、ビジネスホテルを出発したのが朝の9時過ぎ。まずはすぐ南にある恵那山林道を調査しに向かった。この林道は4年前に走って以来で、このところ道が閉鎖されて走れない状態になっていると聞いていたので、実際どうなっているのかを確認しておきたかったのであるが、入り口からしばらくは舗装路が延長されていた。
 ダートが始まったのは10q近くしてからで、途中柵があって入れなかったが、川の対岸を通る道が作られていた。本線はとりあえずしばらくダートが続くが、3qもすると登山道の入り口付近で広場に到達し、その先は厳重な鉄柵が作られていた。この先から恵那山林道独特の荒い砂地の道が続くだけに、何とも惜しい気がする。ただし、崩壊も多いだけに、こればかりは仕方ないのかもしれない。

 恵那山林道がもう楽しめないことが分かったので、そこから40qほど北上して阿寺渓谷を目差した。ここは80年代に一度だけ本線のみ走ったことがあるが、久しぶりなのでどうなっているのか確認しておきたいと思った。実は古い地図では支線が南の柿其渓谷の道と近いところまで延びており、本線も先で西の付知峡から延びる東股谷林道とあとわずかで繋がるところまで来ていた。あれから既に10年以上経っており、ひょっとしたら抜けられるのではないかという期待が高かった。
 阿寺渓谷沿いのダートは車も多く、踏み固められて以前のヤビツ峠のように轍沿いに水溜りのできるくぼみがたくさんできていた。

阿寺林道
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ちょっとトライアルごっこ
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 阿寺林道は全体では15q位はあるはずだが、7qもするとキャンプ場に達し、そこからは有料区間ということで、入り口に管理人が居座っていた。こちらはキャンプ場には興味がないのだが、そこから先は入れてくれなかった。ある意味鉄柵よりも厳しい柵である。
 仕方ないので西に抜ける夢は諦めて、南に抜けることができるかどうかを確かめるべく、途中確認しておいた支線に戻ることにした。
 途中、左の画像のように沢の脇でトライアルごっこをして楽しんでいたが、大きな岩場でのハンドリングは難しいものである。

 柿其樽ヶ沢林道の入り口にも鉄柵が設けられていた。ただし、この柵はバイクなら通り抜けられるもので、絶対に禁止されたものではなさそうである。とは言え、普段は奥で発破工事が行われており、今回のようにお盆休みやGW以外で走ることはできそうもない。その前にトラック等が行き交うはずなので、入ることはまず無理であろう。
 まずは柿其樽ヶ沢林道がどれ位延びているのかをチェックするべく、終点まで行ってみることにした。最後まで登りが続くが、半ばから傾斜も強くなり、途中からかなりの標高になってきた。

柿其樽ヶ沢林道にて木曽駒ヶ岳を望む
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 右の画像は標高1450mほどにある展望台でのもの。見事に御岳山を左に望み、右には木曽駒ケ岳を一望できる。
 この林道自体は7q程度で行き止まりであった。どうやら道の延長は一切行われてこなかったようで、古い地図の表記とはそう違いが見られない。しかし、途中にいくつかの支線が新たに作られていて、これはちょっと気になったので入ってみることにした。

樽ヶ沢支線林道終点
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 まずは一番高いところにあった樽ヶ沢支線林道であるが、ここはちょっと登るうちに、すぐ道が荒れだした。どうやら今一歩長く延びてはいないようだ。丁度展望台の下の方を走るようで、先ほど見たきれいな山々がちらほらと見える。しかし全体としては左に岩、右に木々が視界を阻んでいる道で、止まって楽しむということもなかろう。
 2qほど走るともう終点に達した。予想はできたのでまあ、こんなものかと言った気分であるが、終点は草がぼうぼうで工事は止まったままであるようだ。
 路面の質は荒れていると言っても比較的新しい砂利が随所に撒かれており、崩れてきた石が多いものの、いかにも道が新しいことを証明していた。

 次に北側(阿寺林道方面)に分かれる西山林道に入ってみた。ここは一般の林道らしい印象で、入り口の写真でも分かるように中心部に雑草が残っている。中に入って進んで行くと、左右の雑草が深くなり、本線と異なって車があまり入ってこないような感じである。
 この道は初めのうちこそ上り下りがあったが、途中からはさほど起伏が強くなくなった。道の脇には起点からの距離を表示した木の棒が0.5qおきに刺してあり、まだきれいなこの棒をを見る限り、道が開かれて間もないことを示している。
 意外と道が延びているようで、3.5qの表示を過ぎてもまだまだ先の山の斜面に道が見える。しかし、そこから少し進むと道の真ん中に1Boxカーがドアを開いたまま駐車しており、仕方ないので4q地点でUターンすることにした。一体どこまで延びているのだろうか?

西山林道入り口
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樽ヶ沢付知又林道入り口
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 さて、一番下にある樽ヶ沢付知又林道には最も興味があった。なぜならその名前にある。この道は樽ヶ沢付近の道だからその名に使われているのは当然として、付知又という名前はずっと西に離れた付知峡のものである。と言うことは、阿寺林道の先に延びる道が付知峡谷に延びていなかったとしても、この道が西につながって行く可能性があるからである。しかし、道自体が新しいので、現時点で開通しているかと言うと、それは期待薄ではある。
 道はよく整備されていて、撒かれた砂利も新しい。樽ヶ沢支線林道と同じ感じで、ひょっとしてここもあっと言う間に終了してしまうのかもしれない。

 この道も脇に距離を示した棒が刺してあったが、途中から見えなくなってしまった。だんだん登りが強くなり、意外とまだ先に延びている。しかし、5q地点で道の両脇に赤く塗られた木のマークが刺さっていて、これはもうそろそろなのかなと思っていたら、案の定少し進んだところで道がなくなっていた。右の画像が最終地点であるが、ご覧の通りきれいに整備された砂利道が一気に途切れている。現在ここを開発中なのだろうが、前にも述べた通り、日曜も含めて普段はトラックなどの作業車が絶えずとおることになるので、もう数年待ってから改めて通ってみたい道である。

樽ヶ沢付知又林道終点
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阿寺林道入り口
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 柿其樽ヶ沢林道を往復してメーターを見ると全体で30qほど走っていた。阿寺林道も往復したので、既にここだけで40qは走ったことになる。また、朝に恵那山林道も一部往復して走っているので、合計すると45qほどになるはずである。あっと言う間と思ったが、バイクを車に積んで移動準備が済んだのが午後3時半。意外と結構な時間が過ぎていたことになる。KT250はライトが点灯しないため、6時までにはトラックに積まないと面倒なことになるので、次は近くを走ろうかとも思ったが、やはりここは御岳林道の方に行かないともったいない。で、まだ35qほど先にある玉滝村に向かって車を飛ばすことにした。

 滝越併用林道の入り口に到着したのが午後5時近く。早速急いで本線を走ることにした。
 ほんの1〜2キロも走ると以前はなかった鉄柵が設けられていた。よく見ると説明書きがあり、何でもヒノキの無断伐採があったらしく、それを禁ずるために設けたものらしい。一部の盗人のためにせっかくの道を走れなくするのはどうかとも思うが、これもまた仕方がないことなのだろう。しかし、入り口付近の柵はバイクは横から抜けられるので、そう厳しい規制はないのかもしれない。
 そのまま進むと10q付近で工事現場用の建物があり、現在でも何らかの工事が絶えず行われているのだろう。この道も普段はまず走れない状態になっているのかと思うと、ちょっと寂しい気分になる。

滝越併用林道の柵
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日没前の滝越併用林道
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 そこからさらに進むと上のような柵がまた設けられているところに出た。この柵を確認してみると、入り口付近のものとは明らかに異なり、両脇も鉄柵が廻らされ、完全に封鎖されてしまっている。この先に御岳山を真正面に望む雄大な撮影ポイントがあっただけに、何とも残念な気分でいっぱいになった。日もだんだん山の稜線に近付いてきているので、何とか御岳山が一望できるポイントを探すべく、戻って支線を走ることにした。
 右は途中にあった展望がわずかに開けたところで撮ったもの。かなり道が暗くなりつつあるのがお分かり頂けるであろう。木々に覆われたところはもう随分暗くなっていた。

 あまりに寒くなったので、レインジャケットを着つつ、しばらく登り道を戻って入ったのが立間入林道という新しい道。以前走った際に、道が大きく二つに分かれるところがあって、左に進むと本線であった。ひょっとしてその分岐かとも一瞬思ったが、明らかに異なる名前が表示されており、さすがにこれは違うだろうと思いつつ、進んで行くことにした。
 道はそれまでと同様、砂利質の走りやすいもので、やはり脇には木々が生い茂っていて、あまり展望の開けないところが多い。それにしてもあまり時間がないので、若干飛ばし気味に走らざるを得なかったので、さほど細かくは周囲を見る余裕はあまりなかった。

立間入林道入り口
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立間入林道にて
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 しばらく進むと道に大きな石がゴロゴロ転がっているようになった。ひょっとするともう時期終了かと思っていたら、いやな予感がぴったり当たって、5q弱で終わっていた。
 こうなると残るは入り口付近の柵の直後にあった鈴ヶ沢林道に期待するしかない。この道はずっと以前から地図上に表記されていた道で、本線が御岳山の大地震の際に崩壊した現場の辺りまで延びていて、そこで合流するはずである。ただし、以前に走った時に、崩壊現場から逆に鈴ヶ沢林道に入ろうとしたら、その入り口は大きな岩が崩れ落ちていてとても走れたものではなかった。しかし、もうあれから5年以上経っているので、まずは期待をもって本線を戻ることにした。

 鈴ヶ沢林道は予想通りかなりしっかりと延びている。しばらく登りが続いた後、比較的ゆるやかな上り下りが続くが、途中、大きく開けたところに出た。時間にゆとりがないのでゆっくりはできなかったが、右の写真を一枚撮っておくことにした。
 道はしっかりとまだまだ続いている。先を見ると前方の山の側面にも道が通っている。これはかなり行けそうであるが、あまり深く入り込むと戻る時間がなくなる。とにかく御岳山がはっきり見えるところを探して写真を撮るべく、先を急ぐことにした。時間は既に6時を超えてしまっている。果たしてきちんと目的が果たせるのだろうか。

鈴ヶ沢林道にて
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鈴ヶ沢林道より御岳山を望む
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 入り口から10qほど進むと、左のように大きく開けるところに出た。ここからは御岳山がはっきり見える。既に日は山の向こう側に落ちており、最早写真を撮ってからは戻らざるを得ないが、最後の最後に良いところに出ることができた。それにしても御岳山は木曽駒ヶ岳と異なり、周囲に同じような高さの山がないので、本当に良く目立つ。しかし、3000m級の大きな山なのに、街道からは手前の山々に囲まれてなかなか見ることができない。この辺りが人々からずっと霊峰と思われてきた理由の一つを担っているものと思われる。

 御岳山を撮って鈴ヶ沢林道入り口に戻ったのが日の沈む直前。完全に日は山の向こうになっているものの、まだ地平線より向こうに沈んではいないようで、若干明るさが見られる。その中で車に戻ってバイクを積み込んだのが午後7時。帰りの準備が整った時には完全に真っ暗になっていた。
 それにしても、御岳から南側には多くの林道が密集しているのだが、どれもが柵で閉鎖されてしまったようで、今回走ることのなかった分渡沢林道や灰沢下柿沢林道などもひょっとしたら今では柵で通り抜けできないようになっているのかもしれない。いずれにせよこのところ林道封鎖が増えていて遠くから来てがっかりということも少なくないだろう。とは言え、今回も何だかんだ言って100q近くのダートをちゃっかり満喫させてもらった。

鈴ヶ沢林道入り口
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