ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ 林道ツーリング21〜信州合同ツーリング

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ツインショック軍団+ディグリー
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 平成13年の夏、ついに歴史に残る大イベントが開催された、というのは冗談で、Web仲間のいっつあん・ヤスゾウさんの信州軍団と我々Y・M・P軍団が合同で信州北部の林道を走るという企画が実現された。いっつあんとは前々からご一緒に走りたいと思っていたのであるが、なかなか実現できなかった。しかし、この度いっつあん・ヤスゾウさんの日程がギリギリのところでうまく合って、ご一緒できたのである。
 実は12日に渋滞する上信越道を抜けて宿に到着した我々は、当初湯沢林道と小串炭鉱跡を走る予定であったのであるが、軟弱な集団はすっかりだるくなってしまい、その日はバイク整備(やって来なかったのが凄い)をしてグダグダしていた。宿の近くに蕨温泉があり、ここの湯につかって旅を満喫した。
 ところで、上の写真は13日朝の信州軍団との待ち合わせ場所でのスナップ。左からすっ飛ばしディグリーのM口さん、おなじみハスラー12型の一つ目WRさん、CRエルシノア改のF田さん、F4サイドワインダーの僕、ハスラーさんのお友達でSL250Sの宴会部長T口さん(カメラ有り難うございました)、そしてハスラー7型のハスラーさん。まだ信州軍団は来ていないが、T口&ハスラーさんはれっきとした信州オジサンである。

Rウィンカーブラリンコ
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 さて、いっつあん・ヤスゾウさんと合流した我々は、まず災害から復旧した妙高小谷林道を目指して国道をひた走ったが、途中なぜか僕のバイクからキックアームがすっ飛んで落ちてしまった。一応ボルトは入っているので、軸の中央に切られた溝に引っかかるはずなのに、何かの拍子に抜けたようだ。すぐに拾って事無きを得たが、こんなことは初めてである。どうもなんだか変なことが起こることを予感させるものがある。
 妙高小谷林道は残念ながらかなり舗装化が進んでいた。以前のようなロングダートといった感覚は最早皆無である。全体で7kmといったところか。

 砂利質の林道を半ばまで抜けていってちょっと休んでいると、SL250がとことこやってきた。良く見るとRウィンカーがぶらぶらしている。危うく落としてしまうところであるが、ギリギリのところで助かったようだ。やはりどうしてもバランサーなしのエンジンなので振動は大きいのだろう。良く見るとメインスイッチのカバーも緩んでいた(^^)。
 右の写真は信州軍団のいっつあんとヤスゾウさんで、左の
いっつあんはXLR250・右のヤスゾウさんはスーパーシェルパでやって来たが、もともとトライアル上がりのライダーなので、二人とも安定感抜群である。とても気さくで、いつまで話していてもあきないおかしさを持ったおちゃめなオッサン達である。

えっへん
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コーナー入口・半ば・出口
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 上の写真は休憩所でのビデオ撮影の一コマから。路面はご覧の通り細かい砂利が多く、結構滑りやすかったが、思いの外グリップしてくれた。ただし、うっすらと見られる轍らしき部分を外すと、やはりズリッと滑り出す。
 しばらく走って林道を抜けたが、後ろの方を走っていた連中がなかなか来ない。後ろからSL250のT口さんが来て、どうやら一つ目さんが五寸釘を踏んでパンクしたようである。かなりチューブに傷みがあるらしく、なかなか時間がかかっている。

我らY・M・Pのバックに信州背後霊が…
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妙高小谷災難復旧現場
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 妙高小谷林道での“災難復旧現場”にて。厳しい状況でも楽しそうにやっている。しかし、チューブはなかなかうまく直らず、一番の問題はバルブ周辺の裂け目が足を引っ張ったようだ。それでも何とか走れるようにしたが、不安は残ったままである。これでおよそ1時間半ほどロスしてしまった。ここでSL250SのT口さんとはお別れして、我々は白馬方面に向かうことにした。

鬼無里村にて
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 5時までに長野市内に戻らなければならない信州軍団とは白馬で分かれて、我々は一夜山方面に向かった。もっと時間があったら李平スーパー林道も走っておきたかったが、ダートが残りわずかである上、ちょっと遠回りになるのでパスすることにした。
 一夜山とは西岳林道の分岐を右に行かず直進するとその登山道に出るところである。考えて見るとこちらは行ったことがないが、ヤスゾウさんによると路面さえ濡れていなければそこそこ登って行けるとのことである。

 西岳林道の裏側からの入口はちょっと複雑で、いささか迷ってしまったが、林道はしっかり残っていた。まずは左側の一夜山登山道に入ったが、かなり路面は荒れていて、時折草がひどいところもあった。エルシノア125は下が全くないエンジンで、勾配のキツイこの道は相当苦しそうだったが、サスが全くダメな我がサイドワインダーもこのひどいガレ場はやはりキツかった。
 しばらく進むと途中のちょっと広いところにサニーが止まっていたが、よくもまあこんな狭いガレ場を上がって来れたものである。

ちょっとこれ以上は登れませ〜ん01814j.jpg

バリバリブイブイいわせたるぜ
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 上の写真はいよいよ本格的な登山道が始まるところでのスナップ。ハスラー氏もちょっと無理だろうと途中で戻って来た。深い溝があって勾配もますますキツく、100%エルシノアは無理なのでここで断念した。仕方なくUターンして西岳林道に戻るが、途中ちょっとしたジャンピングスポットがあったので、ここで軽く遊んでみることにした。それをビデオに収めたのであるが、そこから抜いた写真が2段下の3点である。
 左は遊び心満点のM口さん。いくつになってもバリバリである。

一夜山にて
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ヘナチョコジャンプ三態
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 西岳林道に戻った我々はやはり砂利の多いダートを走っていたが、半ばの分岐でそのダートも切れてしまった。全体でダートは8km程度かと思う。これは一夜山支線往復も含まれているので、いかに短くなったかお分かりであろう。寂しい限りである。

 一休みした我々は、とりあえず直進して舗装林道を最後まで行ってから下に降りることにしたが、枝道との分岐点でまた後ろの連中が来ない。しばらく待っても来ないので、先程休んでいた分岐にUターンしてみるとそこにM口さんがいて、彼によるとエルシノアF田氏がどこかへ行ってしまったとのこと。一応一つ目さんが集落に下りる方の道を探しに行ったが、皆が直進したのを確認して最後に出たF田氏がわざわざ右折するとは思えなかったので、「まさか下に落ちたのか」と思って真剣にあせった。しかし、やはり彼はボケっとして右の道を下りていたらしく、何はともあれホッとしたが、また時間をロスしてしまった。

一つ目TS氏
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西岳林道にて〜この後エルシノアが行方不明に
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 さて、初日のどたばたも終了し、あとは暗くなる前に帰らなければならないが、長野市内方面に向かう国道のトンネルでまたもやトラブルが発覚! というのも、我がサイドワインダーがライトのスイッチを入れるとエンジン回転に支障をきたすのである。バッテリー点火のバイクなので、配線のどこかにささくれ立ったところがあって、リークしているのだろう。いずれにせよこのままでは暗いところは走れない。ハスラーもヘッドライトが点灯しないし、5台中2台が真っ暗ということになる(^^)。
 他の3台も提灯であるし、「これはマズイかな」と思っていたら、うまい具合に暗くなる寸前に宿に着いた。

 前日はドタバタのためにあまり走れなかったので、今日はたっぷり走るぞといった気合のもと、まずは湯沢林道に向かうことにした。ただ、エルシノアはガスが足りないので先に宿からGSに向かい、林道の入口は分かるとのことなので、我々は先に林道を走って「赤い橋」で待ち合わせることにした。その時の写真が右の2枚である。ここは何度来てもすーっと心が洗われるような気分になるところである。
 それにしてもエルシノアが来ない。一体どうしたのだろう? 初めからミソが付いたかと思いつつも、このまま待たせているといい加減いっつあん・ヤスゾウさんに迷惑をかけることになる。とりあえず、ハスラーさんが上に行ってビデオを撮るべく待機し、一台ずつ走り始めることにした。
 私はその間、エルシノアが入口を忘れて道を迷っているのかと思い、林道を下りて彼を探しに行くことにした。

赤い橋
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シロナガスクジラと活きの良いサバ
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 一つ目さんと赤い橋の上で待っている最中、大きなBMWのライダーに声をかけられた。彼曰く「今回はこういった濃いいバイクのツーリングなんですか?」と。我曰く「そちらこそ濃いいじゃないですか!」と。彼ニヤリと笑いて颯爽と走り出す。そを見て我等思う、あのバイクでここを走破すとはこれ如何と。車高重量とも並のバイクならずして、大陸をぐいぐい進行すべきモノなれば、かくの如き曲折狭路を走行すべきモノにあらず。
 とまあ、冗談はこれくらいにして話を元に戻すが、大型バイクでの林道走行を傍らから見ているとその迫力に圧倒される。ヤスゾウさんももっと大きなBMWで林道を走るそうだが、実にタフな人である。

 こちらはスーパーシェルパを自分の体の一部のように扱うヤスゾウさんの軽快な走行風景。トライアル慣れしているのか、どんなコーナーでも足を出さないでスッと曲がって行く。我がクラブのM口氏もかなりの飛ばし屋だが、彼も後ろに付いて走ってみて「あのシェルパの人は結構速いよ」と言っていた。僕は以前から「トライアルライダーに遅い人はいない」という印象を持っていたが、やはりそれは間違いではなかったようだ。いっつあんも安定して速いが、彼らの仲間でもっと過激なKDXさんはどんな走りをするのだろうか。KLEで林道をすっ飛ばすというから、やはりかなり強烈なのだろう。

うにょっと曲がるヤスゾウさん
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どりゃ〜っと曲がるワテとハスラー氏
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 下でエルシノアと落ち合って話を聞くと、GSに向かう途中釘を踏んだらしく、彼もパンクしたとのこと。さらにサイドスタンドのスプリングも飛んでしまい、押さえるものが何もなくただぶらぶらしていた。それ以降スタンド無しで彼は走ることになった。ちなみにRウィンカーとシートを固定しているボルトも外れて、とりあえずウィンカーをタイラップで止めておいたが、それにしても同時に3ヶ所も壊れるなんて滅多にないことである。

 湯沢林道を抜けた我々は、次に定番の小串炭鉱跡に向かった。ここは必ず一度寄って下に降りてみることをお勧めする。晴れているとその荒々しい景観は筆舌に尽くしがたいものがある。下の広場、というかただのでこぼこした平地は色々と走り回るのに適しているが、あまり荒さない方がよい。ここで亡くなった人々を弔った碑がその上にあるが、それを無視して荒していると、そこの呪縛霊に呪われそうである。我々はここで手を合わせてから戻ることにした。

腰を伸ばすいっつあん(ラジオ体操中)
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牛の糞(ウソ)を避ける
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 モトクロッサーを持ち込みフラフラしながら下に降りていく下手な手拭い鉢巻野郎を横目で見つつ、上に戻る我々の姿。ここの道はつづら折れが続く、走りにくいガレ場であるが、本来飛ばすようなところではないので皆でゆっくり走った。こうして並んで走る姿はクラブでのツーリングを満喫できるので、とても楽しいものである。僕やハスラーさんは道案内役をすることが多いので、後ろからその大勢の姿を見ることは少ないが、たまに後ろに付いてみると楽しいものである。

 ビデオ撮影で上の写真には写っていなかったハスラーさんの勇姿。本当にハスラー7型が板に付いていてカッコいい。しかし、この後舗装路でFブレーキ回りのトラブルから転倒し、非常に残念ながらここで分かれて帰宅することになった。彼がいないとちょっと我々も力が抜けてしまうが、何はともあれ軽い擦り傷程度で済んだのがせめてもの救いである。バイクはやはり隅々までしっかり点検しておかねばならないことを痛感した。どんなに腕はあっても、機械のトラブルからの急な転倒にはどうしようもない。

バンバンバン…ギャイ〜ン
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そういえばセルバンって一体何?
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 山田入林道を下りて山田牧場で昼食を取ったが、ここの食事は正直言ってあまりうまくなかった。これをご覧になっていらっしゃる皆さんは、他のところで食事をなされることをお勧めする。
 ここから舗装路をずっと移動して、次の目的地である北志賀方面に向かった。

 だらだらとした舗装路を進み、金倉林道の入口である渋温泉に到着したのはすでに2時近かった。金倉林道は未だに後半が復旧しておらず、必然的に倉下林道→龍王スキー場方面に向かわざるを得ないが、その倉下林道はかなり舗装化が進んで、水芭蕉の群生地まで舗装されるようである。そこから金倉林道までの数キロはそのままになるようであるが、全体的に道は荒れている。ほとんど車が通らないのか、結構藪のような中を走る状態に近かった。金倉の下の方の舗装区間は、苔が路面に生えていて、滑りやすいので注意が必要である。

なぜかベンチのある金倉林道
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おお〜爽やか〜
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 倉下林道を抜けてスキー場で一服しながらここでいっつあん・ヤスゾウさんと別れたが、本当に彼ら信州軍団には悪いことをした。それにしてもこんなにトラブルが続いたツーリングも初めてである。おかげで待ち時間が長くなって当初予定していた林道を全て走れなかったものの、かえって信州軍団とじっくりお話できたので、それはそれで良かったのかもしれない。
 左の写真はスキー場の芝生の上で、爽やかな山の風に吹かれてうっとりする皆の姿を写したもの。何だかいつまでもここでのんびりしていたい気分であった。
 この後いよいよ信州軍団と分かれて我々はホテルバンフ北志賀に顔を出してから丸山林道に向かった。時間はもう4時半に近かった。
 丸山林道は以前と少しも変わらず、グリップの良い道がずっと伸びる。ただし、ところどころ砂利の深いところや溝の深いところはあるが、色々な路面を楽しめるのでお勧めである。途中雑魚川林道との分岐があるが、これを左に下って雑魚川に入ると出口がふさがれているので要注意だ。

疲労したF田氏とアロハで林道を走っていたワテ
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 当初、丸山林道を抜けて北に向かい、カヤノ平から清水平林道を抜けて車を置いてある高山村の宿に帰る予定だったが、もう時間がなかったのでそのまま旧奥志賀林道を南に下って、七味笠が岳林道(舗装)を抜けて山田牧場〜鎌田林道(これも舗装)ルートで帰ることにした。途中雨が直前に降った跡があったが、うまい具合に我々が通った時にはすでに止んでいて、ちょうど雲の終わりを追っかけるような格好となった。実は前日の帰り道も同様な感じで、今回のツーリングは雨には見舞われず助けられたようだ。次回は秋に来る予定であるが、その時はこのようなトラブルがないよう、しっかりと整備しておきたいと強く思ったものである。

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