林道ツーリング29〜春のつゆだく箕輪湖ツーリング

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林道は楽しいね
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 長い冬が過ぎ、信州もすっかり暖かくなった4月29日、我々は満を持して箕輪湖方面に足を延ばしたのであった! つづく。(←ってもう終わりかいな) それにしても、いつもなら複数の人達がトホホなのに、今回はワテ一人しばらくトホホな気分に襲われた。全員トホホになればいいのに(不幸はみんなで分かち合いましょう)。とは言え、後半はワテの殿様号一時改め将軍様号もビンビン。何だかんだで結構ダート走行を満喫できた。林道マンセー!
 さて、今回のメンバーは当初ハスラーさんやわんさんも参加予定だったのが、急遽来られなくなり、長野組の3人と横浜組の2人の計5人で走ることになった。目的地は箕輪湖方面で、当初の予定では伊北インターで待ち合わせの後、箕輪湖にトランポを停め、中峠後山線→南峠田無川線→日向入山線→日影入線→町道高峰線→黒河内線の予定であったが、予定は予定。十中八九変更当然なので、今回も大幅に変更することになった。

自走組
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 まずは今回のメンバー紹介であるが、一番手は唯一の“自走組”ご存知やっさん+ブルーギル号(何じゃそれ)。前日にさんざんみんなからBMWのGSで来い、GSで来い、と焚きつけられていたが、一本目の林道である中峠を走ってすぐに「ああ、GSで来なくてよかった〜」と言っていた。
 ところで、いつもながらやっさんのシェルパはテカテカである。事実上ダートオンリーのバイクにはとても見えないが、彼曰く「我、磨きをもって心を満たす。然らば、発動機に泥の僅かに残りたるも許すまじ」と。なるほどダート野郎はバイクをいつもばばっちくしている訳ではないのである。

 こちらはいっつあん+真鯛号。家族用ワンボックスにこの大柄なXLRを積んでくる根性は大したものである。と言っても、見ていると結構楽に積めるようだ。問題はさんざん泥に汚れたバイクを積んで帰宅した後の、家族の目だけだろうか(笑)。
 それはそうと、カメラマンいっつあんは今回もおろしあ製クラシックカメラであるゾルキでパチリ。色々な山の風景を写していた。でも、いっつあんにしては珍しく、立ちゴケ一回、スライディング一回と、カメラにはちょっと大変なツーリングになったかもしれない。

ゾルキの男
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ミスらず
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 HNとは別に今回はな〜んもミスらなかったミスッタ・グリーン氏+熱帯魚号。やっぱ彼にもちょっとミスってもらわないと。あ、待ち合わせ時間の遅れはダメよ。今回同様これからもよろしくね(笑)。とは言え、前日もハードに働いていた彼は、諏訪のSAで休んでいた時に車の中でグッスリ寝て、いびきをかいていた。やはり2時間半しか寝ていないワテもちょっと寝ておこうと思ったが、あの狭いスペースではどうにも眠れなかった。横ですやすやお眠りのミスッタ氏が羨ましく思えたものである。

 今回初参加の長野のひろさん+カエルのケロちゃん号(←何じゃそれ2)。このDT-1Fはしばらく前に手に入れて、色々と直してこの状態まで仕上げたそうで、実はこのバイクではこれまであまりダートを走っていないそう。でもさすがはオフロード歴の長いひろさん。貧弱な足回りもものともせずにバリバリと排気音を山にこだまさせていた。それにしてもハンドルが妙に上向きに反り上がっていて、一見乗りづらそうだったが、ひろさんによるとそうでもないらしい。

DT-1Fを満喫〜
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喜び組はいませんよ
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 こちら様は我が家の殿様号改め暴れん坊将軍様号。今回のツーリングのために秋のツーリングの後、しっかりガスを抜いてナゾの物体Xを発生させないようにして保管しておいたのだが、当初調子が良さ気だったのに、ほんの数キロ行ったところでボボボと言って止まってしまった。前日まではビッグホーンで来る予定だったのだが、仕事の都合でタイヤを交換する時間がなく、奥から引っ張り出すのも面倒だったので、殿様号を気軽にトランポに載せたのであるが、この面倒くさ根性がお殿様の機嫌を損じて将軍様または首領様に変身させてしまったようだ。

 ミスッタ氏と私、すなわちたった二人の横浜組は、GWであることを見据えて朝の5時に横浜を出発した。それにしてもGWだと言うのに中央道はがらがら。もうちょっと遅かったらいきなり大渋滞かもしれないが、これではかなり早く長野組との待ち合わせ場所である伊北ICに到着してしまうので、諏訪湖SAで一休みした。
 9時前に伊北ICで長野組と合流して箕輪湖の周辺の駐車スペースに車を止め、いざ出陣。まだ10時でもあるし、今日もたっぷり走れそうだ。
 まず第一に向かったのが後山の集落から北真志野に出る中峠後山線である。ここは茸山なので柵があり、ほとんど車が通らないせいか、結構道に草が生えている荒れ気味の細い道である。入り口の柵はどこかなと思いつつ舗装路を登っていたら、急に殿様号の機嫌が悪くなり止まってしまった。そう言えば、トランポから降ろして燃料コックを開けたとたん、やたらガズ漏れが多かったが、秋から何もいじっていないので大丈夫だと思っていたのだが…。

YMP初のゲロトレ
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古バイクはございませんでしょうか
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 急遽キャブを開け、オーバーフローを解消すべくタイコの部分の爪をわずかに上に向けて組んでみたが、イマイチ調子が良くない。林道に入ってもすぐにエンストしてしまう。そこで止まっていたら、上の方でオッサンが手招きしている。エンジンがかかってそちらに行ってみると、数人のおっさんがいて「ここは茸山だから進入禁止だ。きのこ採りが始まる8月になったら警察に捕まるぞ。」と言っていた。入り口の柵は開いていたが、それなら閉めておけと言いたかったものの、いい感じのおっさん達で、「遠いとこから来たんだから、今日はいいよ。」と許可してくれた。しかし、調子が悪い。その上道が超悪路になってきて、惰性&足で道を下っていたが、わずかにバイクを止められるスペースがあったので、そこでまたキャブを開けることになってしまった。

 キャブのパッキンが劣化して割れていて、組み立ててもガスがガバガバと漏れてしまう。しかし、ナゼかミスッタ氏が何にでも使えるという接着剤を持っていて、それを付けてからガスケットを乗せたらうまくキャブを組み立てられた。ミスッタ様、はは〜m(_ _)m こうなるとなかなかなものであるが、まだ時折調子が悪くなる。もう結構な時間になっているので、とりあえず下に降りてから食事を取ることになった。しかし、大荒れの道であったが、どうやら新たな分岐ができていて、本線からそれてしまったために獣道みたいなところに入ってしまったらしい。本線に出たらそれなりの荒れ具合である。

いっつあん、自分を小さく見せてもムダよ
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皆さんは2周
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 諏訪湖を見ながら食事の後、北大熊のバス停を折れて南峠田無川線に入る。ここは一応県道442号線のはずであるが、未だに荒れた急な坂のダートである。それにしてもまたダートに入ったとたん調子が悪い。皆さんには地図を渡して先に林道を満喫してもらって、こちらは駐車場に戻ってまたキャブを開けることにしたが、ふと見るとオイルもなくなっている。オイルタンクが黒く汚れていたので、窓を見たらてっきり入っているものだと思っていた。これはまずいので、峠までは何とかエンジンを使ったがなるべく回転を上げぬよう、2速15km位で走っていた横を、手も挙げずにDRだか何だかのアンチャンが抜かして行った。「将軍様、あの程度のアンチャンになめられてまっせ。今度喜び組をお連れしますから、おねげーしますよ〜」と心の中で訴えたものの、どうにもならない。峠からはエンジンを切って下って、何とか駐車場に到着した。

 ところで、今頃仲間達は日向入・日影入林道を楽しんでいることだろう。私は今日はライダーではなく完璧に整備士になってしまった。エンジンがキンキン言っていたのでキャブのタイコの爪をまた下げて、車に積んであったオイルを注入ししばらく具合を見てみたが、燃料コックをONにしてみるとまたガバガバ漏れる。また再度組み立ててみても同じである。しかし、コックを2の位置に合わせるとあまり漏れない。これはOFFではないので、この状態で走ってみようと思い、連中を追いかけることにした。しかし、走り出すと燃料がフロートに充分送られないみたいで、ちょっとすると止まりそうになるので、もう面倒だから走りながらコックをONにしたり2にしたりしながら林道に入って行った。そのうちONと2の中間にしておけばガスの流れる量も少なくなることに気付き、そうして走ってみると具合が良い。
 日向入林道はまだ5・6kmはダートのままで、比較的フラットないい林道である。しかし、下りが結構続くので、アクセルは当然閉じ気味に。日影入林道に入ると土砂崩れ工事のために砂利の高く盛られたところに出た。見るとこれは越えられそうである。さて行こうかと思ったら今度は完全にオーバーフローを起こしていて、うんともすんとも言わない。またここでエンジンを開けるハメになったが、よく見たらパッキンの一部がフロート室に入っていた。これでは“つゆだく”も仕方ない訳だ。念のため爪を標準に戻し、パッキンを慎重にフロート室の上に乗せて組み上げてみたら、今度はギンギンに回しても何ともならない。ようやくここに来て将軍様から殿様に戻ってくれた訳だ。もうこうなると今までのうっぷんを晴らすべく、フラットで広い日影入林道を思いっきり飛ばして戻った。

 駐車場に戻ってもいっつあんらはいない。おや?どうしたのかなと思いつつ、しばらく待ったがやはり戻って来ないので、それならまた林道を一周してこようと考えて今度は逆に日陰入林道から入るべくダムの方に向かった。するとそこで彼らが林道から出てきた。聞くと私が駐車場にいなかったので、もう一周日向入・日影入林道を走ることにしたそうである。考えることは同じなんだなあ。
 合流後、まだ日は高いが、さすがに高遠から入笠方面に行ってしまう時間はないので、予定を変更して近くの萱野高原から延びる峰山林道を走ることにした。

カミナリが落ちても安心
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 峰山林道は随分前に走ったが、その時は中部電力の鉄塔のところで終了する行き止まり林道であった。しかし、距離がそこそこ長いので、往復するだけでも楽しめるのみならず、その後購入したマップでは杖突街道に抜けられるようになっている。果たしてどういったものかと思い、期待しつつ走ってみた。
 道は以前の印象と異なり、踏み固められたカチンコチンの土ではなく、一般的な土&砂利であった。ちょっと走るとどんどん高度が上がって景色も良い。道自体はガードレールもなく細い上、崩れて下に落ちてしまったようなところもある。しかし、まだ調子良くなってからあまり走っていないので、前半ではちょっと回し気味に走った。とは言え、路面には落下してきた大きな石が結構ころがっているので、無茶は禁物である。ブラインドではしっかりスピードを殺して走ったが、それにしても本当に楽しい道だ。途中、いい撮影場所はないものかと思い、ペースを落として走りつつ、丁度良さそうなところがあったので止まってみたらビックリ。何とシート下のオイルタンクのキャップがないではないか。「今度はオイルで“つゆだく”ですか、将軍様〜。もうヤだよ、マジで」と心で泣きつつキャップを探しに歩いてみたものの、そんなもの見付かる訳がない。とりあえずビニール袋とタイラップで口を止めてから鉄塔のところまで走ってそこで記念撮影を行なった。
 ところで、今回初参加のひろさんはなかなかの腕前である。流した後半はともかく、そこそこアクセルを回した前半もそんなに離されることなく付いてくるようだ。ちょっと気を緩めると抜かされるかもしれない。わんさんやタナカさんがRMXやCRMで走ったらメチャクチャ速いだろうが、ひろさんもWR400などで来られたら、とてもサイドワインダーやビッグホーンじゃ役不足だろう。KLX-Bでも足回りはともかく、エンジンパワーがないのでダメかもしれないが、まあ、貧弱な足回りのバイクでピョンピョンはねながら走るのが面白いので、それはそれでいいのだが(byフラットダートマンセーなワタシ)。
 撮影の後、すぐ下にある何やら新しそうな道を下ってみた。この道が下の国道につながっているのかどうかは分からないが、とにかく入ってみた。道自体は下り一辺倒の土質で草が多く、下の方では水が流れている部分が多く、妙に滑る。ほとんど車は入ってこないのであろう。これまであまり汚れなかったバイクも、ここで一気に泥だらけになってしまった。しかし、当初不安だったものの、道は結構長く、これは間違いなくつながっているなと思った矢先、目の前にいきなり鉄柵がしっかり道を塞いでいた。「すぐそこに国道が見えるのに、またあの距離を戻るのかよ〜」と思いつつ柵を見ると、チェーンにカギがかかっていない。あっさりと出られた我々は、小田井口のバス停付近で杖突街道に出て北上し、ちょっとして北片倉の集落から日影入林道に入り、箕輪湖に戻ることにした。
 日影入林道は杖突側を走っていなかったので、丁度良かったが、こちらは舗装化が進んでいるようだ。ダートになっても道は広く、フラットで走りやすい。しかし、雨が流れた跡なのか、やたらに縦の筋が入っていてハンドルを取られやすいのも確か。いっつあんにしては珍しくここでフロントズザーをやらかしてしまったようだ。今回やっさんはしんがりを担当して走っていたが、シェルパのタイヤの溝は随分減っていたものの、いつもながら安定した走りで全く問題はなさそうだった。ゲロトレオーライとのことであるが、うちの将軍様では無理。
 日向入林道は逆に走ることになったので、これもまた新鮮ではあったが、さすがにいっつあん、やっさん、ひろさんは三回目であるから、楽しめたかどうか分からない(笑)。しかし、登りマンセーなミスッタ氏はとても楽しめたようで、充実の最後をひと時を送ったようである。

やっさん何してるの?
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 そうこうして駐車場に到着したのは5時半頃。まだそこそこ日は高いが、ここでまた林道に入ったら“自走組”のやっさんには酷である。バイクを積んだ後、有賀峠を抜けて岡谷市内に入り、IC脇のファミレスで食事を取って解散した。吉野家があったら間違いなく「つゆだく」は注文しなかったことだろう(笑)。
 帰りも高速は全く混んでいなかった。これが本当にGWか?と思う程だったが、やはり高速はいつもこうであって欲しいものだ。長野組も9時に帰宅できたそうだし、横浜組も10時過ぎには戻れたので、あまり疲労は残らない。
 個人的に林道ではトホホ続きであったが、それなりにダートを楽しめたし、何よりも久々に気のいい仲間達とまた話をして走れたことが一番の喜びである。夏はまたフルメンバーで1泊ツーリングをしようじゃあ〜りませんか!

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