ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング31〜TRなゲロツーリング

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おや?ナニやら小型な車両が
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 03年8月15日、今年も我々はお盆休みを利用して一泊ツーリングを敢行した。去年の盆ツーも大変な目にあったが、今年も約一名程御先祖様のお叱りを受けてトホホな目にあった者が出た。集合場所は長野県南アルプスの北(わからんぞ〜)、中央道の伊北IC付近。何せ名前だけのヨコハマであり、長野&愛知のメンバーと合流しやすいところということで、今回も辰野に宿を取ることにした。それにしても楽しみにしていたお盆ツーリングだが、直前になって天候が悪くなってしまい、前日の天気予報では確実に雨ということで、初日は「宴会が目的」と腹を決めて正午に横浜を出ることにした。

 辰野の宿は田村屋旅館という非常に安いところ。あの付近の宿はどこも予約でいっぱいだったため、困り果てていたが、辰野観光協会のサイトに電話番号と住所のみが載っていたここの宿だけは「空いてますよ」ということで、あんなに悩んだ宿探しが妙にあっさりと決まった。しかも値段を尋ねると一泊二食付きでたったの¥5000なり。こりゃ安過ぎて心配になったワテは、念のため¥1500追加して、料理をゴージャスにしてもらうことにした。
 さて、出発の朝、外を見ると前日からドシャ降りのままである。web情報を見たら長野県も雨であり、今回初の古バイク参加であるミスッタ氏が横浜の集合場所に来ることはあまりに過酷なので、こちらから大磯まで迎えに行くことになった。それにしても大磯から中央道って、行きづらいもんですなあ〜。
 4時に辰野駅付近で待ち合わせていたが、わんさんが最も早く到着していたようで、随分暇つぶしをするはめになったみたいであった。遅くなると思われたいっつあんも意外に早く到着して、とりあえずお泊り組の4人はバッチシ再会。コンビニの駐車場でわいわいやっていたら、「あの〜、長時間停めるのでしたら、車を真っ直ぐ停めて下さい」。「禁止」と言われないところが都会と違うのどかさである(その前に都会のコンビニにはこんな広い駐車場など皆無か)。

3回タイヤを外しました〜
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ざっくり
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 宿自体は古臭いものの、親切な女将さんとたっぷりの料理に満足しつつ、深夜までくっちゃべっていたが、いよいよ16日になってやっさんと駅前で合流し、まずは前回も走った峯山林道に向かう。途中、ガスを補給してミスッタ氏のNEW旧車、KX125レプリカの125TR(つーか、KE125の最初期のモデル)のタイヤにエアを入れて、前日にタイヤ交換した際に出ていなかったタイヤの耳を出そうとしたが、5kgの空気圧でも出てくれない。6kgに上げたらいきなりパン!と音がして後は「シュ〜…」。結局バイクをトランポから下ろして用意周到に持って来ていたおニューのチューブと交換する羽目になった。しかし、話はここで終わらない。なんとミスッタ氏は二度もチューブに大きな穴を空けてしまったのであった! 今後ミスリマクッタ氏と呼んであげましょう(^^)

 結局、スタンドに来る途中に確認したバイク屋にタイヤ回りを持って行って、修理が完了したのが11時半。もう昼近かったのだが、これも楽しみの一つでしょ(笑
 トランポを箕輪湖付近に置いて、まずはわんさんがまだ走ったことにない峯山林道に向かうことにした。予定ではここを抜けて杖突峠に向かい、そこからぐるりと一周できる守屋山の林道を走って入笠山方面へ進み、町道高嶺線や女沢峠、更には高烏屋スカイライン周辺の道を探索する予定だったが、最早時間がなさそうなので、町道高嶺線辺りで終了かともひそかに考えていた。まあ、いつもながら予定はあれこれ走るようになっているが、それを実行できたことなど皆無だから、それはそれで全く問題はなかったりする。

ゲロトレ用セロー改を前にわんさんにんまりの図
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KTを味見するいっつあん
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 今回の参加者は、ハスラーさん・T口宴会部長・ひろさん・タナカさんらが来られなくなり、一つ目さんも急遽仕事が入ってダメになってしまったので、結局は5名でのツーリングになった。

 まずは上の写真のわんさん。太平洋側が大雨だったこともあり、HPNの自走はあきらめてセロー改ゲロトレ仕様をトランポに積んで愛知からやってきたが、HPNにもたまには火を入れてやりたいし、ゲロトレも楽しみたいしで、結局どちらでもオーライな万能型トレール野郎だったりする。70kgちょいのガスガス、110kg程のセロー、180kg強のHPN-BMWと重さの上で三階級のバイクを使い分けるのだから、そりゃもう万能と言わざるを得ないだろう。ワテのバイク達は96kg(KT)〜120kg(F5)だから、守備範囲の狭いこと。あ、KV75もあったっけ。

 次に今回も奥様セローを自分のものにして積んで来たいっつあん(上の写真)。ステップワゴンの後部座席を外さずに載せられるそうで、セローのコンパクトさにやられているよう(笑)。とは言え、今回はゲロ必至ゆえ、その選択は間違ってはいない。実際いっつあんは現役トライアルライダーのわんさん同様、軽いセクションでは以前たっぷりやっていた頃の腕前を見せてくれた。いや〜、大したもんだ。

 右の写真はやはりいっつあんと同様、元トライアラーだったやっさん。今回も自走組(ひとり〜)で長野市からやって来てくれた。バイクはおなじみのブルーギル号シェルパ。タイヤはうっすらと溝がある程度の状態で、これでヌタヌタべこべこ道を走るのは大変であろうが、そこはやっさん。腕前を活かしてぐいぐい進み、シェルパならではの走りを楽しんでいた。

わんさんセローを味見するシェルパなやっさん
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ミスリマクッタ氏
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 左は今回一人大変な目に遭ったミスッタ氏。今回のツーリングに向けて購入した初のツインショック車である125TRがタップリと彼をいじめてくれた(笑)。とは言え、125の旧車とは思えない程力強くスムーズな回転の上昇は、乗っていて楽しいものであり、実際調子の良いところでは彼も「乗っていて自分がうまくなった気がした」と言っていた。秋までにはバッチシ整備して、また北志賀を走ろうではないか!

 写真はないが、ワテは今回もKT250で参加した。実は低くていやになったハンドルをノーマルレプリカの高いものと交換し、Rショックもオリジナルとほとんど同じものに取り換えてうきうきわくわく状態で持って来た。まあ、フラットダートの登りではハッキシ言って超弱。

 さて、峯山林道に入ってフラットな林道を楽しんで走っていたが、オイルキャップをすっ飛ばした春ほどスピードは出していないものの、ミスッタ氏以降が遅れ気味になる。まあ、初めてのツインショックでいきなりダートだから、感覚を覚えるまで仕方ないのであるが、飛ばすのが大好きな彼のことだから、すぐに慣れてくることだろう。いっつあん・やっさんが彼を温かく見守りつつ走っていた。
 一度ちょっと広くなったところで休憩した後、目差す鉄塔のところまで一気に進んだ。ここではみんなでトライアルごっこを楽しんだが、結構急な斜面で、初心者には丁度良い練習場所になりそうな雰囲気のところである。鉄塔の脚の周りではターンの練習もできそうな感じである。近所にこういうところがあるといいのだがなあ。

ここはまだ快適
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新旧カワサキトレール
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 斜面はおよそ45°で、長さは約10m程度。表面を芝のような草が覆っていて、下りはともかく、上りはちょっとアクセルを強く開けるとすぐにかっぽじるようなやんわりとした土である。まずはわんさんがセロー改でアタック。下にも鉄塔の脚があって、そこでターンして登って来たが、何の不安もなさそうである。ちょっと登りではラインを考えておかないと滑るようだ。それを見てからせっかくのKTなのだからワテもと思い、早速下りてみることに。この程度の斜面ならノービスでも問題はないが、下はちょっと平坦なだけで、その先は谷間だから慎重に行かねばならない。登りに向けてギヤチェンジしようとしたら、バランスを崩してちょろりと足を出してしまった。うわ、情けない。←ウルトラノービス。

思ったより滑るのね

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 登りはKTのエンジン特性からぐいぐい進んでくれるが、途中でRタイヤがグリップを失ってずりずりカラ回りしてしまった。こんなに滑るとは思いもよらず、ちょっとまたド素人をさらけ出してしまった。林道用にエアをそこそこ入れておいたからと言い訳したくても、皆さんバッチシ成功しているので、その逃げ道も通用しないのであ〜る。では、皆さんの楽しみ方をご覧あれ。

KTで楽しむいっつあん←ウェアが車体と相反するがブーツはなぜか合っている(笑

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 当初奥様セローで成功させたいっつあんは、早速KTでも再アタック。傾斜はご覧の通りで結構ある上、思いの外スリッピーであったが、ちょちょいのちょいでクリア。

セロー改ですいすい斜面を登るやっさん

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 実はやっさんはこの前にシェルパでアタックするも、ツルリンタイヤでやっぱ登れず〜(^^)。そろそろ要交換ですぞい、やっさん。それにしてもしっかり腰を落として登ってますね。決まってます!

逆ルートでチャレンジするわんさん

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 時計回りで周っていたら別段問題ないのであるが、反時計回りだと登りで段差があるため、走りづらくなる。それもわんさんの手にかかるとお茶の子さいさい。現役は強い。

理論派いっつあんも逆回り

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 やっさんの話によると、いっつあんもトライアル現役の頃は結構うまくバイクを操ってたんだってね。今でも走りの安定度は非常に高いが、やっぱトライアル上がりのライダーは上手いね。

KTでも逆回り

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 「トプさん、こかしたらゴメン」と言いつつ、逆回りしたわんさんであったが、なーんの不安もなく軽くクリア。ちょっと腰を下げてRタイヤにトラクションをかけつつ、Fを浮かないようにやんわりとスロットル操作をするのがコツのようだ。

鉄塔下でパワー充電
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 ここはちょっとした広場なのだが、先を見ると細い獣道らしき歩道が見える。トライアルごっこを楽しんだ我々は、次にこのゲロな道を行くことにした。ミスッタ氏の125TRじゃ厳しいって? いやいや、だってTRじゃん。ノープロブレム(TRつったってトライアルではなくトレールの略なんだけどねぇ)。
 それにしてもトライアルはゆっくり走る割に体力を使うものですのお。ゲロトレになるともっともっと大変だが、さてさてこの道はどこまで続いているのかな?

 さ〜て、入り込んでみるとそこそこ細い道がつながっている。もちろん飛ばせるような道ではないので慎重に走るが、木々の間を縫うようにして走るのはなかなか面白い。しばらくすると前を走るわんさんがストップ。見ると結構きつい斜面の上部のわずかな部分を抜けなければならないところに差し掛かる。ここは平坦ではない上、前日の雨で土質がスリッピーなのでちょっと危険だが、上手い具合に谷側に倒木が縦に置かれていて、そこがタイヤ止めになってくれるので、抜けることができた。
 更に先に進むとどんどんヤブになってきて、道が草で覆われるようになってきた。しかし、道はまだまだ続くようで、多分中部電力の職員がここを何かの点検等で使うのだろう。非常に狭いつづら折れの下りには足止めの階段のようなものが埋め込まれていた。さすがにここはTR(125の旧車よ)にはきつかろう。また先に行ってUターンもできないかもしれない。

ヤブ&ケース
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な〜んとわんさんここでターン

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 と言うことで、我々はここで戻ることにしたが、後ろにいた我々はまだしも、先を見に行ったわんさんはあの身動きの取れないところでフロントをポンポン持ち上げながらターンしてしまった。これはサスの反動を利用するだけでなく腕力(わん力)が必要だろう。ワテにはでけん。さすが元ラグビー部。

TRだけどTRじゃないっす

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 帰りも同じところを走ることになるが、さすがにここはミスッタ氏のバイクには過酷のようで、何でもエンジンが回らなくなったと言っていた。すぐにエンストするらしく、結構熱ダレを起こしているようだ。

て、手が〜(支線の終点)
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 ゲロな道を出て、峯山林道を杖突街道側に下っていくことになったが、この道もほとんど使われないらしく、草が非常に多い。途中、まだ走ったことのない分岐点があったので、これを山側に上ってみることにした。するとヤブ度は更に増し、半袖姿のワテには非常にキツイものとなった。本当に草の中を走ると言った感じで、腕には擦り傷がたっぷりできてしまった。手で草をどかしながら走っていたため、片手運転する時間が長かったかもしれない。当初後ろから見ていたわんさんは、何で手を上げたり横に出したりしているのかと思ったそうだが、その姿はナゾの行動に見えたことだろう。
 この支線は3qに満たない距離であったが、あそこまで草だらけだともう走る気が起きない。

 このヤブの道も行き止まりで、結局林道を抜けることになったが、わんさんのセローはそろそろガスが怪しくなってきた。杖突街道に出てスタンドに入ろうと思ったが、何と休業。そこで少し北上してスタンドを探そうと思ったが、全くない。地図ではJOMOのマークがあるのだが、消えてしまったようだ。
 結局峠を抜け切ってしまい、時刻も3時半になったので、春と同じく諏訪湖畔のコンビニで軽く食事を取った。
 さすがにもう時間がなくなってきていたので、予定をまたしても大幅変更して、南峠田無川林道を越えて戻りつつ、途中の支線に入ってゲロトレを楽しむことにした。しかし、このコンビニの駐車場は諏訪湖が一望できて非常に快適である。

いっつあん死亡中
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KT250@南峠
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 田無川林道に入って、普通の林道ランを楽しもうと、ちょっと飛ばし気味に走ったが、やっぱKTはこうした登りの道はダメダメ君である。4速では回り過ぎるくせにスピードは出ず、5速ではすぐにモーっとなる。面倒だから4速に入れっぱなしで走ることにした。
 わんさん、いっつあんとともにそこそこ流して走っているうち、南峠に到着。ミスッタ氏と監視役やっさんを待つものの、なかなか来ない。かなり待っても来ないので、いっつあんらに見て来てもらうことにしたが、どうやら随分下でミスッタTRがウンともスンとも言わなくなったらしい。そこでワテがトランポを取りに行ってから、再び戻ってミスッタ氏を迎えに行くことになった。まあ、今回は彼一人アイタタタタ…状態だった訳である。

またもやヘンテコツーリングになったけど、オモロかったね!
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 ミスッタ氏救出作戦に向かう途中、いっつあん・わんさんとすれ違ったが、どうやら彼らはもう一ちょゲロトレを楽しんで来たようで、充分ご満足な模様。現場に到着するとやっさんとミスッタ氏が寂しげに会話中。やっさんには走りを堪能してもらうべく、先に林道を抜けてもらうことにして、我々はトランポにバイクを積んでゆっくり林道を戻った。
 駐車場に到着したのはおよそ6時頃。最早空は薄暗く、これ以上林道を走ることは不可能である。結局ダートは30q程度しか走っていないが、なぜか皆さん充実した面持ちである。いや、ミスッタ氏だけが打ちひしがれていたか(笑)。まあ、TRの洗礼を受けたと言うことで、楽しめないこともなかったであろう。秋はしっかり手直ししてまたあの快音を聞かせて下され。
 と言うことで、山を下りて伊那市内の街道沿いのステーキ屋さんで食事&談笑の後、8時半頃に解散。我々横浜組は伊北ICから中央道を走りつつ、大月から国道139号・138号を抜けて御殿場から東名に乗って帰った。大月の辺りから雨に見舞われたが、長野は前日から晴れ。今回のツーリングでは、お天道様は味方してくれたようである。

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