林道ツーリング9〜沼田・奥日光方面

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 8月2日〜4日、みんな袈裟丸山の林道を走ってみたいということだったので、今回は沼田を拠点にしてそこから足を延ばして日光も訪れてみた。私自身は88年頃のとあるバイク雑誌で、栗原川〜新地林道が、その名を公表されずに紹介されていたことは知っていた。その後、かなり経って「バックオフ」誌で詳細に紹介されたものの、なかなか行くチャンスがないまま数年経ってしまったが、この年の5月に単独でこの林道をくまなく走り、その長さに驚いてしまった。こんな素晴らしいダートがまだ関東に残っていたとは、本当に奇跡的に感じたものである。それを仲間に伝えると、何とかぜひ行ってみたいとのことであった。
 当日朝、我々は朝前橋で待ち合わせをすることになったが、そこで結構時間を費やしてしまい、沼田に到着したのは午後1時過ぎになってしまった。早速車を旅館に止めて、最初の林道の赤倉林道に到着したのはもう3時頃。この日はここを徹底的に楽しむことにした。
 赤倉林道はあまり展望はきかないが、路面はとても快適でしっかりしていた。約10km程である。途中で走行中の写真を撮るべくしばらく休んで遊んでいたが、そのとき撮ったのが隣の写真である。上からDR250M口さん、CR125改F田氏、350TRワテの順である。皆楽しい一時を過ごしていた。
 赤倉林道を往復して、林道の出口に近い所で記念撮影。もう時間がないので、できれば行きたいと思っていた秋鹿・大影林道は断念せざるを得なかったが、ここは本当に楽しい林道であった。荒れたダートを好む人にはちょっと役不足かもしれないが、飛ばし屋にはもってこいの林道であろう。しかし、地元の林業の方も利用する道なので、あまり無茶してはいけない。事故によりゲートを設けられてしまっては元も子もない。他の人がいる所では徹底的に安全運転を心がけるべきである。

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 沼田市の郊外の玉原ダムに近い所にある旅館「水芭蕉」に宿泊して、二日目は奥日光を目指した。沼田街道をひた走り、金精峠〜いろは坂を通り、表男体林道の入口に到着したのは9時頃だった。早速野州原林道・志津林道と抜けて戦場ヶ原に戻ったが、途中で男体山の姿が大パノラマで見られる所があったので、そこで休憩。それにしても、この林道は以前からその路面の雰囲気が変わらず、真に変化に富んだ面白い性格の道である。ただし、裏男体林道入口と野州原林道・志津林道の途中にはゲートが設置されている。
 山王林道を北上して川俣湖に向かうが、この道は年々舗装化が進んでいる。それでもまだ多少ダートは残っているが。峠に作られた休憩所も二年前より一層観光地的になりつつあるようだ。ワテがここに初めて来たのは83年であったが、当時は入口から出口まで約20qフルダートで、とても現在のように「観光路」的に変わるとは思えなかった。しかし、奥日光から北上して抜けられる道はここしかないので、ある意味では重要な生活路になっているとも言えるだろう。ダートが減ってしまうのは残念なことだが、これも致し方ないことである。

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 川俣湖からは馬坂林道に入り、そのまま田代山林道を北上するという、オーソドックスなコースをとったが、残念ながら田代山林道はこの年も路面が欠壊しており、抜けられなかった。仕方なしにUターンし、途中新たに開通した川俣桧枝岐林道を途中まで走って、こちらも往復して戻ることにした。さらに無砂谷林道も一周できることを聞いていたのでここも走ってみたが、落石がひどくてやはり途中で引き返して旅館に戻った。しかし、この一帯だけのダート走行距離は60qを軽く超えていた。
 三日目は、沼田から20q程先にある吹割の滝の近くから入る栗原川林道・新地林道をいよいよ走ることになった。私はこの年にここを走るのはもう三回目であったが、F田・M口両氏はここは初めて走る林道である。このロングダートを今回のツーリングでは最も楽しみにしていたようだった。行きは栗原川林道を真っ直ぐ抜け切り、根利牧場から小中新地林道に入って大滝に出たが、帰りは新地林道から栗原川林道に抜けて吹割の滝に出るルートを通った。

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 栗原川林道を登り切った所にある石碑にて。パノラミックな風景に覆われていて、実に爽快な気分にさせられる。ここまでの道はとても整備されており、誰にも簡単に走れるが、決して単調ではないのがいいところ。初めの内こそ一般的な雰囲気の林道であったが、すぐに険しい山間の道へと変化し、そして1/3程走って一気に視界が広がるこの休憩地点。こんなに充実した林道は、関東にはもうないのではなかろうか。さらにこれ以降も色々な表情を見せてくれる。
 しばらく進むと山の一部をごっそりくり貫いて道を通した所がある。トンネルにせずに、ただ削り取ったものであるが、その両側の壁は妙に威圧感がある。挟まれたままじっと立っていると、土砂崩れか何かで岩や土に押し潰されそうな雰囲気になってくる。この先はもう栗原川林道も終点に近く、新地林道の分岐がそろそろ見えてくるところである。ちなみに小中新地林道はかなり荒れた路面で、新地林道は整備されている。

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 ほんの先ほどまで晴天だったのに、何時の間にか霞んできて、とうとう雨がぽつぽつと降り出してきた。山の天気は本当に変わりやすい。これは復路の栗原川林道で撮ったものだが、この後本格的に雨が降るようになった。早く宿に戻ろうと飛ばしていたが、しばらく走っていたら雨が急に小降りになってきて、ついには止んでしまった。カッパは当然持っていたものの、面倒なので着用しなかったが、結果的に正解だったようだ(何のためにカッパを用意したのか分からないが)。
 出口が近い所での走行中のスナップ写真。普段はこんな感じでゆったりのんびりと走っている。といってもこの場合は写真を撮るからゆっくり走ってくれと注文してはいるが。このすぐ先にただ土壁に穴を開けただけという感じのトンネルがあるが、ここを抜けるともう本当に出口はすぐである。もっと走りたい気がしたが、ここを往復しただけでも軽く80qに達する。こんなに長いダートは奥日光の林道群の他に、関東にはもうないであろう。

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 二泊させてもらった旅館「水芭蕉」にて。ここの旦那さんはとても気のいい方で、最終日も車を止めて頂いたばかりか、何と夕方に戻ってきたら、また風呂にも無料で入れてくれた。心から感謝の気持ちでいっぱいであった。皆さんもこの辺りに行かれる時は、ぜひご利用になられると良いであろう。沼田インターからバイクで20分程度の距離である。

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