林道ツーリング28〜深まるオッサンの秋、辰野・木祖方面ツーリング

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 97年10月11日、結婚前にいっちょ走っておきたいというF田氏の要望のもと、ワテとアオキと3人で紅葉の美しい南アルプスから木祖村にかけて1泊2日でツーリングに出かけることにした。
 朝6時に横浜を出た我々は、まず中央高速をひた走って辰野まで一気に向かった。伊北インターで降りてちょっと戻り、辰野駅の駐車場にトランポを止めてバイクを降ろした我々は、有賀峠(いい名だ)を越えてから最初の林道である中峠後山線に入った。左の写真は左側がTLM220で走ったアオキで、右側がCR125エルシノアで走ったF田氏である。ワテはF5ビッグホーンで走った。

 中峠は有賀峠の少し南西に平行して延びる林道で、更に南西にある南峠田無川線と挟まれるようにして見られる。我々はここを南側から入ったが、この周辺はきのこが取れるようで、簡単なゲートが設けられていた。道はあまり車が通らないのか、落ち葉と雑草だらけで土があまり見られない。また、周囲が木々で覆われていて、日差しも少なくて鬱蒼とした雰囲気の道である。さすがに秋も深まってくると、路面の草も霜が下りるためなのか、妙に水っぽい印象だった。全体は5km程度の距離の林道であるが、充分楽しめるだろう。

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 中峠を越えて諏訪の南側の県道16号線に出た我々は、すぐ西側にある南峠田無川線に入るべく北大熊のバス停を目指した。このバス停のあるところを右折すると一直線に林道に入るが、地図上ではここは立派な県道である。その名も県道442号線諏訪箕輪線と言うが、はっきり言って完全なダート。距離は10kmになるが、前半の登りはとても県道などとは呼べないハードなもので、地図にだまされて入ってきた観光ドライバーなどは、かなり厳しい目に合うことになるだろう。Uターンしたくても道が細くてスペースがないから、結局抜けざるを得ない。と言ってもバイクでは中程度の荒れでしかないが。

 南峠田無川線を越えて、以前美和湖(箕輪ダム)建設に伴う道路工事で走れなかった日影入林道に入った。ここは美和湖の西側に延びる林道で、本来なら10km級のダートのはずだが、最早舗装化間近のようで、広く整ったダートが7km程残っていた。
 ここを少し往復して途中から分かれる日向入林道に入ったが、ここも年々舗装化が進んでいる。ただし、日影入林道とは異なり、美和湖へつながる主要動とは考えられていないようで、ダートそのものはいかにも林道然としていた。紅葉がとても美しかったのが強く記憶に残っている。

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 日向入林道も抜け、まだ少し時間があったので、美和湖の南側の道を探索することにして、しっかりとしたキャンプ場を横目にどんどん深く入っていった。天気が悪くなってきて日も落ちてきてかなり暗い。ダートを10kmも走ると鉄塔のあるところに出たが、ここで道は終了である。ちょっと休んでUターンしたが、もう真っ暗になり雨も降ってきた。暗いライトで照らしつつ走っていたが、途中つるりとフロントを滑らせてコケてしまった。止まって確認すると道はカチンカチンに踏み固められた土で、雨で妙にツルツルしていた。

 辰野に戻った我々は駅に程近い旅館の「みのわ屋」に泊まった。ちょっと古臭いものの、優しいお年寄りのご主人が営む穏やかな宿であった。
 さて、12日朝、まだかなり寒いうちに宿を出た我々は、すぐ近くから入れる七蔵寺林道を目指した。この道は途中から王城枝垂栗林道、天狗原林道と名前を変え、岡谷の方まで延びている。右と下の写真は途中にあったハングライダーの降下ポイントでのもの。辰野の町が一望できて、とても気持ちの良いところであった。この写真を見る限りF田氏も若者だが、メットを取ると髪は晩秋の落ち葉状態(笑)。今回のツーリングを象徴している。

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 ここで急に遅れ始めたF田氏はコワイコワイと言っていたが、なぜかは分からない。七蔵寺林道を全て走り、ちょっと戻ってまた王城枝垂栗林道に入り最後まで抜け切った我々は、次に牛首峠を抜けてから国道19号に出た。牛首峠はまだ2km程度のダートが残っていた。
 楢川村でガスを補給した後、奈良井の宿場から旧鳥居峠に入った。ここは10kmにちょっと欠ける程度のダートが残っており、道も良く整備された林道である。ほとんど他の林道ツーリング中の人に出会わなかったが、ここではXR600に乗った人とすれ違った。

 10kmに満たないとは言え充分林道を満喫した後に、今度は熊沢幸沢林道を目指して国道19号道を南下した。木曽福島に入って右に折れ、熊沢の集落を走るが一向にダートは現れない。かなり奥深く入ってようやくわずかなダートがあったが、これは道路補修程度のもので、林道とは呼べない。ここまで来てこれでは納得いかないので、そこから開田方面の道に抜ける上幸沢林道を探して支線をくまなく走るが、抜けられるダートは一つもなかった。道路地図では点線で書かれていたが、ある雑誌社の林道マップではしっかり記載されていた。どうも胡散臭いものがあるが、ひょっとしたら獣道のようなものまで載せていたのだろうか?

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 今度は少し戻って鉢盛山林道を目指したが、案の定途中で厳重なゲートがあった。ここでF田氏もかなり疲れ気味なので、できればもう一本月夜沢林道あたりを走りたかったが、仕方なく戻ることにした。再び牛首峠を通って辰野に到着したのはまだ4時頃。トランポにバイクを載せて余裕を持って帰宅することになった。
 18歳から林道を走り始めてこの時点で早20年近く。それこそとっくに夏真っ盛りの期間は終了し、秋も深まった状態の年齢であるが、60になっても林道を走り続けていたいものである。

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