ヨコハマ・マウンテン・パッセンジャーズ
林道ツーリング〜いわき北部方面

touringtitle16.jpg

998a.jpg  今回のツーリングは各地で集中豪雨による事故の起こった1999年8月13日の翌日の14日、福島県いわき市北部に向かった。3年前にいわき南部に来た際、そのダートの充実ぶりに参った私は、前回走れなかった北部の林道を走りたいものだと常々思っていた。
 常磐道を降りて国道399号を北上し、十文字の集落にトランポを置いて神楽山林道を走る。しかし、ダートがほとんど残っていない。3km程度か。一本目からがっくりしていたら地図にない道と交差していた。その道は広域基幹林道上高部線という新道で、結構距離の長い道であった。
 上高部林道を往復して神楽山林道のちょっと北にある平行した道を走ってみると、ここも12km林道が続いていた。これは上高部中戸渡線と言うらしい。ここも地図にはない道だが、本当にいわきは深い。
 再び国道に出た我々は、今度は十文字入口とは逆に折れ、浅見川林道に入った。廃屋を横に見ながら進むと道はかなり荒れだし、横に勢いよく流れる浅見川と今にも崩れ落ちてきそうな山の斜面や倒れかけた木が目に入り、薄ら寒い雰囲気になる。実際かなり気温は低い。右の写真の白いしぶきは林道を横切る流水が川に流れ落ちたもの。その勢いがお分かり頂けるであろう。
998b.jpg
998c.jpg  浅見川林道を抜けて下箒平に出た我々が少し県道を下っていると、途中「五社山黒森大内林道」の標識とその地図が立てられていた。それによると浅見川林道の国道側の入口付近の集落の幸四郎に出るもよう。当然走ってみるが、ここは既に舗装準備中であった。ただし、それも前半の五社山公園までで、後半は浅見川林道と同様、かなり荒れた感じのダートであった。
 予定外に再び国道に出たが、もう一度浅見川林道を抜けて県道に出て、下箒平で七曲林道の入口を探す。しかし、くまなく探したが見当たらないので、逆から攻めるべく県道を南下した。ただし、途中「私有地につき立ち入り禁止」となった所があったが、ここが入口だったのかもしれない。
 一旦南下して西側の道を北上した我々は、程なく七曲林道入口を発見して早速入ってみるが、地図では一本道なのに随分分岐が多く、迷ってしまった。かなり奥に進むと「私有地云々」となった分岐があり、やはり向こう側もあれが入口だったのかと考えたが、ここは無理には進入しなかった。さらに先に進むと道は行き止まり。しかし、途中の分岐点に「まわり道→」という不思議な表示がいくつもあり、何か工事関係車両用のものと思われるものの、とりあえずその通りに進んでみることにした。それにしてもじめじめとして日差しのない道である。たくさんの大きなカエルが我々を恐がることなくのんびりとしゃがんでいた。 998d.jpg
998e.jpg  ところで、しばらくするといつの間にか「木戸川林道栗沢支線」という表示が現れ、さらに行くと木戸川林道の本線に抜けられた。これもまた意外な発見であった。しかし、どうもこの支線はダム工事のために開かれた道のようで、普段は通れないのかもしれない。
 車に戻るべく、ちょっとしつこかったが、再び五社山黒森大内林道を走った我々は、その後富岡町に出て国道6号線からちょっと海側に入ったあたりのビジネスホテルで一泊した。国道沿いのラーメン屋さんの味が忘れられないほどおいしかった。
 朝、今回のツーリングの中の目玉である、乙次郎林道を走るべく、川内村を目指してトランポを走らせた。車は国道399号とは川を隔てて反対側にある、沢道林道の舗装準備区間に止めておいた。そこから小田代林道〜沢道林道をぐるりと一周して、いよいよ今回のツーリングでは唯一のメジャー林道である乙次郎林道に入った。
 途中2台のツーリングバイクに出会ったが、この道にはまだ何軒か民家があり、奥の方ではうわさに聞く郵便メイトとすれ違った。たくましいものである。道は比較的走りやすい土質のところが多く、この点はさすがに生活道路であると感じた。
998f.jpg
 乙次郎林道を抜けて県道を北上し、井出川沿いに左折した我々は、滝ヶ谷林道を探すべく井出川林道を直進した。しかし、それらしい道は見当たらない。井出川林道も大半は舗装されており、ここを楽しむことはできない。途中井出川林道柿平支線というところと名無しの入口を見つけるが、柿平の方ではなかろうと思い、名無しの入口に入ってみた。するとすぐに荒れに荒れた道になり、そこで行き止まりとなった。Uターンして井出川林道をそのまま先に進むと、しばらくして急に開けた所に出てしまい、そこが県道貝ノ坂・萩線であることに気付いた。それではあの柿平支線なのか?と思い、ここから戻って入ってみると、道はどこまでも続いて行くので、やはりこれが滝ヶ谷林道なのだろう。実際、しっかりと乙次郎林道との分岐に出ることができた。この、つながった四本の林道の総距離は35km以上もあった。

998g.jpg

 乙次郎林道に戻った我々は、再び小田代林道を走り抜け、川内村の中心部で昼食をとった。その後で宮ノ坂バス停から子安川の集落に抜ける林道を走ったが、何という名の林道か分からないままである。ご存知の方がいらっしゃったら、ぜひ教えて頂きたい。道は全6km程の距離であるが、あまり生活道として利用されていないのか、結構荒れた感じの道であった。
 この名無し林道を抜けるとその脇に橋があり、そちらに行かずそのまま直進すると子安川林道になる。ただし、舗装路の途中に分岐があり、これを左に行くと平伏林道(舗装済み)となる。
 子安川林道の最も標高の高いところ辺りで、突然左側の木々が消え、ちょっとした草原が広がるところに出た(上の写真)。ちょっとここで遊んだが、林道を先に進んだところに牛が放牧されているのを発見し、あの草原がこの高原牧場のものだったのだと気付く。5分くらいとはいえ、バイクで走ってしまい、牛達に悪い事をしてしまったようだ。
 さらに道なりに進むと採石場のようなものがあり、道もそこで採れた石が敷き詰められ、雪道でもないのに真っ白であった。いや、それどころかその砂利に含まれるガラス質のため、妙にキラキラと光が反射していた。実に不思議な道である。これまで数多くのダートを走ってきたが、こんな道は初めてである。

998h.jpg

 子安川林道を抜けた我々は、県道を西に向かい、坂下バス停付近から赤原遠山林道に入る。ここも前日の大雨のため荒れ気味であったが、もうこれくらいはハードだとは思わなくなってしまった。この道は途中で先ほど述べた名前のわからない林道とつながっているようであるが、今回はそれを確認しなかった。上の写真で左側の道を下るとその道に出るもよう。我々は右の道を登って行った。しばらくして一旦舗装路に出るが、それを横切るように直進し、そのまま宇津川林道に入る。こちらはやや砂利っぽいものの平凡な道で、あっという間にマリ山方面の舗装路に抜けてしまった。その出口の写真が下の写真である。
998i.jpg  今回のツーリングはマイナーな道が多かったが、それにしても林道ツーリング人口は以前に比べて激減していることを実感した。郵便メイトは別として、今回のツーリングですれ違ったのはたった2台というのは寂しい限り。このいわき周辺はマイナーながら林道の宝庫といった感があり、高山の景色は期待できないものの、その道は一本一本様子が異なり、知られざる林道もまた発掘できる喜びも眠っているかもしれない。皆さんもぜひとも一度はじっくりと走ってみると良いだろう。

見出しページに戻る