TOPCON CLUB(トプコンクラブ)〜その他の愛機

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 ノリタクラブ 2
 NORITA 66 camera & NORITAR lenses 2

NORITA CLUB No.1
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ノリタールレンズの全て NORITAR LENSES

ノリタール40mm f4
NORITAR 40mm f4
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 このレンズは35mm判に換算すると24mmの焦点距離に相当し、中判では数少ない超広角レンズの一つであった。レンズは8群9枚構成のレトロフォーカスタイプで、前玉は大きくフィルター径は77mmである。重量は640グラム。最短撮影距離は30cmから。
 さすがに絞り開放では四隅のコントラストの低下と球面収差の影響が見られるが、f8まで絞るとまんべんなく非常に良い画像となる。使ってみた感じはとてもスムーズで、広角レンズが好きな人は常用レンズとしても良いくらいだ。ただし、フィルターとネジ込み式フードを併用すると四隅がわずかにケラレるので要注意。大きさもボディとうまく調和していて、不具合は全くない。シャープさは抜群に良いので、お勧めの一本である。

 コンパクトな作りの広角レンズで、35mm判に換算するとおよそ31mmになる。写角で言うと70度である。レンズの構成は6群9枚のレトロフォーカスタイプで、フィルター径は62mmで標準の80mmレンズと変わらない。大きさも非常に近いので、間違えてしまう程である。最短撮影距離は45cmで、REオートトプコールの広角レンズのようにクローズアップには利用できない。
 このレンズはとてもコンパクトなので、普段35mmレンズを標準としている人は正にもってこいの付けっぱなしレンズとなるだろう。390gという軽さは35mm判のf1.4クラスの標準レンズ並みである。ちょっと暗いのが惜しいところ。

ノリタール55mm f4
NORITAR 55mm f4
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ノリタール70mm f3.5
NORITAR 70mm f3.5
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 鏡胴内にレンズシャッターを組み込んだ、変わった発想のレンズ。本体のフォーカルプレーンシャッターを1/8秒以下で用いれば、しっかりと自動絞りも働くレンズシャッター式一眼レフとして使える。ただし、レンズ側のチャージレバーを引かないとレンズシャッターは作動しない。
 レンズは5群7枚で35mm判に換算すると42mm相当の標準レンズになる。しかし大きさはご覧の通り、最近のコンパクトなレフレックス500mm程度のサイズで、かなり太いレンズある。

 5群6枚構成のMCコーティングされた中望遠レンズで、写角は28度。35mm判に換算するとおよそ90mm程度のレンズに相当する。ノリタは標準の80mmの倍数を交換レンズの焦点距離に設定しており、このレンズはブロニカ用のノリタ製ゼンザノン150mmとわざわざ分けて生産していた。ちなみにゼンザノン150mmは6群6枚で開放値はf3.5であった。ノリタはこの明るさもできる限りf4に統一したかったようである。
 その大きさも最大径76mm、全長108mmとコンパクトであり、重量も650gとほとんど40mmと変わらないものである。よって、ちょっとした撮影の時には手軽に持ち運べる使い勝手の良いレンズで、今でも良くアメリカの中古市場に現れる。

ノリタール160mm f4
NORITAR 160mm f4
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ノリタール240mm f4
NORITAR 240mm f4
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 35mm判に換算すると144mmになる望遠レンズ。5群6枚構成であるが、19度という写角の割に大きなレンズで、最大径82mm/全長175mm/重量1150gにもなる。フィルター径は40mmレンズと同様77mm。6X6判だけに大きくなるのは致し方ないが、さすがに35mm判の135mmレンズでここまで大きいものはなかろう。
 72年当時のカメラ雑誌のテストレポートでもその性能が高く評価されたが、実際に使ってみてその評価をつくづく実感できた。つまり、開放絞りから全面でシャープな画像を見せ、カラーバランスも良好、ボケもスッキリしていて言うことなしであった。ただし、絞りリングが他のレンズに合わせて前の方に付いているのはあまり使い勝手が良くない。
 やはり一番のネックになるのはその大きさと重さであるが、これはもう我慢するしかない。その焦点距離から言って、まずカメラバックに必ず入れておくレンズになるだろう。

 ノリタールでは唯一の超望遠レンズ。超望遠と言っても写角は12度であり、35mm判に換算すると205mmに相当する。レンズ構成は6群7枚で、フィルター径は95mmもある。なかなか中古市場にも現れないレンズであるが、さすがに全長282mm/重量2,300gもあると、とても気軽に使えるものではなく、あまり使う人もいなかったに違いない。何しろこの重さはREオートトプコール500mmより重いのであるから。
 このレンズは専用の三脚座を取り付けて使用するようになっているが、その三脚座はカメラの三脚穴からレンズの前の方をつなぐ細い板状のもので、その中間に三脚に取り付ける台座が備えられていた。前の方は板状の三脚座の前に備え付けられたリングを鏡胴に取り付けて固定し、後はカメラの三脚座を用いて固定する。そのため、フォーカシングをするとリングの中を鏡胴が前後に移動するが、三脚座の板にもリングが前後できるように作られている。

ノリタール400mm f4.5
NORITAR 400mm f4.5
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 フードは内蔵式で下の画像のように引き出して使うタイプ。400mmにしてはちょっと浅い気もするが、これで遮光は充分なようだ。
 それにしても、当時の中判カメラ用の超望遠レンズとしてはとても作りが良く、当然のように自動絞り機構が盛り込まれているが、そのレバーはてこの原理を利用した巧妙なものである。

 さて、標準レンズについてであるが、ノリタール80mm f2は4群6枚のガウス型でマルチコーティングが施されている。最も注目すべき点は開放値がf2と明るいことで、これはリトレック6X6のリトロンレンズの時代から開発されており、当時としては非常に稀なことであった。当時の中判カメラ用標準レンズの明るさは、ほとんどがf2.8で、アサヒペンタックス6X7だけがf2.4と若干明るかったが、ノリタールは更にこれの上を行き、全中判レンズ中最も明るいものであった。以前のカメラ雑誌ののテストレポートを読むと、その性能は高く評価されており、特にアサヒカメラのニューフェース診断室では球面収差量・焦点移動量ともに極めて少なくて良いと書かれている。解像力でも極めてシャープと表現されているように、大変優秀なものである。実際に使ってみると、私の印象ではホースマン用のスーパートプコール105mm f4.5にも見劣りしないものであった。色はどちらかと言うと冷色系かと思われるが、ネガで撮影する限り気になるものでもなく、比較的正確な色で写ってくれる。コーティングはアンバーを母体として、シアン系とマゼンタ系の色が加えられていて、何かREオートトプコールのものと良く似ている。
 開放の周辺部はやはりガウス型の常として若干ねむい感じが無きにしも非ずであるが、そこはブローニー判の強さで、注視しないと分からない程であり、35mmカメラのものとは雲泥の差がある。しかし、なぜかf2なのに開放絞りでもボケの度合いが弱い印象であった。これは撮影した対象によってそう感じさせられただけかもしれないが。

 ノリタールというと、三流メーカーのさえないレンズと思う人も多いのか、ゼンザノンの中でみても東京光学製の100mmやツァイス・イエナ製の85mmなどはその中古価格も高いのに対し、ノリタ製150mmは最低の価格である。しかし、その光学技術は業界では高い評価を持っており、事実、これらのレンズは東京光学で主に様々なレンズを設計して名を馳せた丸山修治氏、岸本匡氏、岡崎正義氏らによるものであり、その真面目な作りとともに実に信頼できるレンズであると思う。

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