TOPCON CLUB (トプコンクラブ)

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 トプコールのページ 4
 TOPCOR LENSES No.4

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マクロレンズと初期のレンズ等
Macro Lenses & Early Lenses

マクロトプコール各種
VARIOUS MACRO TOPCOR LENSES
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マクロトプコール58mm
MACRO TOPCOR 58mm
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REマクロオートトプコール58mm f3.5
RE MACRO AUTO TOPCOR 58mm f3.5
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マクロトプコール30mm f3.5
MACRO TOPCOR 30mm f3.5
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 一番上の画像はマクロトプコールを並べたものであるが、左からREマクロオートトプコール58mm f3.5、マクロトプコール58mm f3.5、同135mm f4である。前列の小さいレンズはマクロトプコール30mm f3.5。REマクロ58mmだけが自動絞りで、30mmは普通絞り、他は自動プリセット絞りである(セミオート)。トプコンはかなり早くからマクロシステムの充実を図っていたが、60年代半ばにはすでにこのようなレンズシステムを完成させていた。
 二段目の写真は左がマクロトプコール58mm f3.5に可変中間リングを付けたもので、右が少し後に出たREオートトプコール58mm f3.5である。REマクロ58mmは直接カメラに取り付けて用いるタイプのもので、そのままの状態で1/2倍までのマクロ撮影ができる。とても解像力の高いレンズで、トプコールファンの間ではかなり人気が高い。そのせいか他のレンズに比べると若干中古相場が高いようだ。実際にマクロレンズでありながら、ただシャープなだけでなく、一般撮影の際も美しく柔らかいバックのボケが見られる。両者とも60年代半ばには併売されていたが、60年代後期のカタログではREマクロオートトプコール一種に絞られることになった。
 ところで、マクロトプコール58mmと135mmの二本にはヘリコイドリングが付けられておらず、ベローズか可変中間リングと併用する。特に58mmと可変中間リングの組み合わせは実にスマートで、一見すると一体型のもののように思える。これを実際に一体型としたものがREマクロ58mmである。135mmの方は、他のメーカーの望遠マクロレンズが100mmまたは105mmであるのに比べ、多少の焦点距離の余裕があるため、昆虫などのあまり近付くことのできない被写体を撮影するのには意外と重宝する。その描写能力は58mmに比べると一歩後退した感があり、マクロに必要な緻密な解像力や歪みのない画像はあまり期待できないが、かと言って決して粗悪な画像を見せる訳でもない。それなりに良好な描写力を持っているものの、マクロレンズとして特に優れているとも言えない。可もなく不可もないと言う感じである。もう一歩ぼけなども柔らかいと持ち味になると思えるのだが。なお、このマクロトプコール135mm f4はバヨネット式でレンズフードを取り付けるが、フードそのものはREオートトプコール100mm f2.8用と併用する。これに対し、その他のマクロレンズには専用のフードは設定されていない。
 特筆すべきものは一番下の写真のマクロトプコール30mm f3.5で、このレンズは拡大撮影専用のレンズであるが、当時はまだどのメーカーもこうした発想の交換レンズは一般向けには発売していなかった。上の写真で他のレンズと比較して頂ければお分かりであろうが、その大きさはとても小さいレンズで、カメラのマウントにはアダプターMT-1・MT-2を介して取り付けられる。このうちMT-2の方は円錐形のもので、照明などを正面から被写体に当てる際にじゃまにならない形状となっている。レンズのマウント部は顕微鏡の対物レンズと同サイズのねじ込み式のものが使われている。最大撮影倍率は蛇腹W型との併用で9倍になる。朝日ソノラマから出版されていた『マクロテクニック』の著者である平岡武夫氏も愛用のレンズで、設計が古い割にかなりの解像力を持ち、このレンズを違うメーカーのカメラに取り付けて使う人が多かったようだ。ちなみに左側の黒鏡胴のタイプは、72年以降に作られたもので、大変数が少ない。面白いことに、ただの色違いかと思ったら、実は鏡胴の材質そのものが異なり、従来の白レンズは真鍮製のため見た目より重いが、黒レンズはアルミ製のため非常に軽く仕上がっている。また、木製のケースのサイズも若干異なっている。コーティングも改められ、後期の黒鏡胴のレンズにはREGNトプコール50mmのような緑色のコーティングが見られる。ひょっとするとマルチコーティングが施されているのかもしれない。

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From the left side of the top image, there are RE Macro Auto Topcor 58mm f3.5, Macro Topcor 58mm f3.5, 135mm f4, 30mm f3.5. Only the RE macro 58mm has the full automatic aperture system. Other lenses use the semi-automatic presetting aperture system (30mm use the manually aperture system). Topcon had already completed these lens systems in half of the 60's. The lens that I should mention specially is the Macro Topcor 30mm. This lens is an expansion photograph exclusive use, the interchangeable lens of such a thought had not launched for the general even any makers yet. Furthermore, the black finish 30mm lens is made of aluminum and the chrom finish 30mm lens is made of brass.

オートトプコール
AUTO TOPCOR LENSES
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 下の写真は、左からオートトプコール10cm f2.8、同5.8cm f1.8、同3.5cm f2.8の順。下の画像の上段の三本はR時代の後期に主に外国で発売されたもので、絞りをプリセットするための力をチャージするレバーが省略され、ボタンに連動して絞りが開閉する仕組みのシュタインハイルのオートキノンと同様の加圧方式を採っている。下段の三本のレンズは絞りチャージレバー付きの一般的なセミオートで、こちらは57年のトプコンRの登場と共に発売された。どのレンズもこうして二つのモデルが用意されていたが、その光学系やデザインに何ら変わりはない。シャッターボタンの台座部分のカバーが各レンズで色分けされているため、一目で見分けがつくようにしている点が粋である。3.5cmはエメラルドグリーン、5.8cmはシルバー、10cmはゴールドである。なお、北米向けにRトプコールをセミオート化したオートトプコール13.5cmも極わずかだが存在したようだ。
 フードは後のバヨネット式とは異なり、鏡胴の先端に彫られたスリットにフード側の歯を噛み合わせて抜けないようにしているタイプ。10cm用は二段構造の引き出し式で、他の焦点距離のものと同様、逆さに被せてレンズキャップをすることができるように作られている。
 それぞれ、基本的なレンズ構成を変えることなく、コーティングや鏡胴、絞り、マウントなどを変えて、REトプコールNシリーズが登場する70年代半ばまで生き長らえたレンズ達である。
From the left side, there are Auto Topcor 100mm f2.8, 58mm f1.8, 35mm f2.8. These lenses have the semi-automatic aperture system, and have the mechanical image. However, the lever is not attached to three lenses of the top. These lenses were sold little quantity in the end of Topcon R.

Fオートトプコール
F AUTO TOPCOR LENSES
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 フードの形からも分かる通り、これらのレンズはほとんど基本的な構成はREオートトプコールと変わりない設計である。
 トプコンR IIのデビューとともにオートトプコールが完全自動絞り化され、生まれ変わったのがFオートトプコール各種で、標準の5.8cmを除くと三本のレンズがある。左から順に3.5cm f2.8、10cm f2.8、13.5cm f3.5である。前のモデルとレンズ本体の設計には変更点はない。後のREオートトプコールも基本的には同じであるが、絞りリングの回転方向が左右で異なる。そのため無改造のままではFオートトプコールをREスーパーに付けても絞り込み測光になる。
 このシリーズのデザイン的な特徴は、距離目盛が鏡胴の内側で回転し、その外側を透明なプラスチックレンズが覆っている点である。70年代のタムロンのレンズもこの形を採っていた。
 最も力の入っていた時期のレンズで、描写能力は全トプコール中でも上位に位置する。RIIを持っていないと特に集めたいと思うレンズではないが、いざ集めようとしてもほとんど見つからないレンズであろう。
These lenses was launched in 1959 when TOPCON RII was produced. The system was improved to the full automatic aperture. But this system was not the TTL full aperture measuring system yet. The lens hood is attached with the bayonet method.

H-Fオートトプコール5.8cm f1.8
H-F AUTO TOPCOR 5.8cm f1.8
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 62年末から63年初めにかけて、REスーパーが発売される前に、TTL機構を省いたRSが一時的に先行販売されたが、ちょうどその頃に作られていたレンズである。基本的にRの時代から続く5.8cm f1.8とレンズ構成自体は変わらず、更にRIIの標準であるFオートトプコールとは自動絞りの機構さえも変わらない。しかし、外観は63年半ば発売のREオートトプコールと同じである(絞りリングの向きはFオートトプコールと同じで、REオートトプコールとは左右で逆になる)。元『クラシックカメラ専科』編集長で、トプコンカメラに精通される萩谷さんの話によると、日立製作所に特注で生産依頼されたものが「H-F」の名前の由来だそうである。資料がなく類推の域を出ないが、日立製作所では特殊カメラに取り付けられたものと思われる。と言うのも、マウント部にネジ込み式でプロテクターが付いているので、このままでは一般のカメラではミラーが当たってしまうのである。実はこれはREオートトプコールにも取り付けることは可能であり、しっかりとマウント部にネジ山が刻まれている。
 さて、レンズのコーティングはどうかと言うと、REオートトプコールが基本的にアンバー系のコーティングが目立つが、このレンズはどちらかというとFオートトプコールに近く、マゼンタ・パープル系の色が目立ち、これにシアンの層も加わっている。
 このレンズがRSの標準レンズであったかどうかは正直言って分からない。ただ、時代的にぴったりであること、機構的にRSには充分であること、デザイン的に見ても正にRSのために作られたようなものであること、他でもこれが付けられたRSを見ていることなどから、私はこれが最初期のRSに取り付けられていたものと類推しているが、本来は先程述べたように外部向けに作られた特注品だったものが、そのまま自社のカメラにも取り付けられたのだろうと考えられる。
This lens was produced in 1962. The mechanism of this lens hardly changes with F Auto-Topcr. The design is the same as RE Auto Topcor. Although this lens was requested by the HITACHI factory and made at first, and attached on Topcon RS simultaneous.

H-Fオートトプコール10cm f2.8及び3.5cm 2.8
H-F AUTO TOPCOR 10cm f2.8 & 3.5cm f2.8
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 H-Fオートトプコールは日立製作所向けから始まり、すぐにトプコンRS用として流用されたことをある意味証明するものがこの交換レンズ群である。H-Fレンズが特殊用途のものなら標準だけの単発レンズであってもおかしくはないが、これらのように実はしっかりと交換レンズが作られていたと言うことは、H-Fオートトプコール5.8cmがRS向けに使われた結果、その交換レンズにも同じ名を配さざるを得なかったことを意味していることになる。実際に、これらの交換レンズには、標準レンズにあった特殊用途用のマウント側のフィルター溝は見られなず、それまでのFオートトプコールとほとんど変わらない。RSにH-Fオートトプコール5.8cmを付けて売り出した以上、交換レンズにもその名を付けざるを得ず、急遽名前に「H」の文字を加えたものと思われる。
 左はH-Fオートトプコール10cm f2.8で、このレンズと一般的なFオートトプコールとではどこが異なるのかと言えば、わずかにシアン系のコーティングの色が強くなっている程度である。これは長い年月を経た個体差のようなもので、当時メーカーで変更されたものとは言い難いかもしれない。
 右はH-Fオートトプコール3.5cm f2.8で、このレンズはアンバー・マゼンタ・シアン系のコーティングが淡い感じで施されており、シアン・マゼンタの強いFオートトプコールの色とは若干異なる。どちらかと言うとH-Fオートトプコール5.8cmの色合いに似ている。10cmもそうだが、先端部のメッキはざらついたものが使われている。RIII・RSのボディのメッキとほぼ同じである。
 シリアルナンバーは10cmが75万台・3.5cmが74万台で始まり、Fオートトプコールとの違いは見られない。多少なりとも設計変更されたものなら、まずナンバーを変更しているはずであるが、それがみられないところから察するに、メーカー側としてはこれらのレンズをFオートトプコールと別のものとはとらえていなかった可能性もある。多分、13.5cmレンズについてもH-F名のものが作られたと思われるが、従来のFオートトプコールとの差は、やはり標準レンズのように多くはないだろう。
 ところで、以前、白鏡胴のFオートトプコール13.5cmを見たことがあるが、多分それはREオートトプコールが発売されてからそれまでのFオートトプコールをメーカー側で有償でRE化したものであると考えられる。ここで紹介するH-Fレンズがそれを証明するものであると言える。と言うのも、仮に白鏡胴のFオートトプコールが初めから作られていたら、Fオート→H-Fオート→Fオート白鏡胴という流れになり、名前がなぜか後退することになるので、まず有り得ない。では、Fオート→Fオート白鏡胴→H-Fオートという流れはないかと言うと、せっかくREオートトプコールに通じる白鏡胴にしておきながら、H-Fオートで黒鏡胴に戻す訳がないので、これも有り得ないだろう。よって、時折見られる白鏡胴のFオートトプコールは、後にメーカーで改造したものであると言える。ただ、REマウント化されたFオートトプコールで、従来の黒鏡胴を利用してマウント部のみを交換したものもあるので、事情は複雑なようであるが。更に複雑なことに、おそらくこのレンズはFオートトプコールの売られていた頃の末期に並行して生産されていたようで、シリアルナンバーが末期のFオートトプコールと入り乱れている。オートトプコール5.8cmの黒仕様やREレンズの初期の黒鏡胴などもそうであるが、昔の東京光学のレンズは、シリアルナンバーでレンズの変更を読み取ることはできない場合が多い。
I was possessing the standard H-F Auto-Topcor5.8cm lens, but did not know the existence of these 10cm & 3.5cm lenses. The making does not change almost to F Auto-Topcor and the circumstances differ from a standard lens. Topcon has to attach this name to interchangeable lenses, because sold the Topcon RS and H-F Auto-Topcor5.8cm with a set, so may added the letter of "H" to the name hurriedly.

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